Saturday, November 12, 2022

Coverage of "Space Carrier Blue Noah" in 1979 (Animage)

September



Interview with Yoshinobu Nishizaki

A. 東映との業務提携第1作ということなんですが、提携の理由は?!

Nishizaki. 「二つあります。現在、残念なことに、アニメ作品は質的にまちがいなくダウンしている。これの良質化とキャラの広い流通をはかりたいということですね。作品の質的管理に一番必要なのは、人材の交流です。ところが、これが、これまで業界という壁があってなかなかうまくいかなかった。けど、一方でぼくはもはや、作品を製作会社単位のスタッフで作っていく時代じゃないと判断した。つまり、作品単位にならなくてはいけない。そこで、思いきって、人材の交流による双方の発展が叶えられるならと考えて、提携に踏みきったわけです。それと、キャラの流通ということは、たとえば、ヤマトと999を交換するとかして、作品のはばを広げたいということです」

B. 人材の交流をはたしたスタッフ構成はどうなるんですか?

Nishizaki. 「これまでのアニメ界では考えられなかったスタッフを起用したつもりです。(以下、スタッフは別掲参照)」

C. ビッグ・スタッフですね。予算オーバーになるんじゃないですか(笑)。

Nishizaki. 「冗談じゃなく、 2億円の赤字は覚悟しています。ダメだったらもうアニメは作りません。 “最後の賭け”です」

D. ところで、2時間スペシャルでスタアートする理由は!?

Nishizaki. 「壮大なドラマの状況設定を視聴者に十分に理解してもらうには、2時間が必要だということです。20分で設定を説明しようとしたところに、これまでのアニメ作品の "無理”があったんですよね」

E. 最後に、ファンの間では、ヤマトとのちがいが気になるところですが。

Nishizaki. 「ヤマトをSFファンタジーとしてとらえるなら、ブルーノアは、ほんもののSF海洋ドラマです。 読者のみなさんぜひ、期待してください!!!」

Takashi Iijima Comment

海には生きとし生けるものすべての源と感じられるロマンがあります。その海を舞台にSFドラマを創り出す仕事は、非常にやりがいがあるし、楽しみでもある。また、はじめて西崎さんと仕事をすることも、ぼく自身により一層情熱と活気を与えてくれるのです。

Yoshihiro Nozaki Comment

「海洋ものはあたらない」というテレビ界のジンクス、今回は、あえてこれに挑戦しています。 で、あてるために一番やっていること、それはSF研究家の金子隆一さんにスタッフの一員として加わってもらい、ほんもののメカを作っていること。 期待してください!!!

October

Yukiyoshi Hane Comments about the Characters

Shin Kusaka
「まゆ毛の太いのが最近のヒーローの特徴、ところが、太いと、ちょっと知性に欠けるところがでてくる。で、細めにして、知性をだしてみたつもり」少女にしては大人びたかげりがあり、暗い過去を漂わせる。しだいに真にほのかな愛情を抱くとともに、明るさと少女らしさをとりもどしていく。一方、どんな困難にも耐えていく気丈で男まさりな面も兼ねそなえる。

Kei Domon
「ぼくのイメージで、少女というのか、女の子を描くと、ま、こういうタイプになっちゃうんです。髪、体の線、バスト、すべて少女っぽくしてみました」

Sho
「顔つきは精かんで意志の強さを強調してみた。髪形に注目してください、飛鷹という名まえから、鷹のくちばしの形にしてみたんだけど(笑)」

Hiroshi Izumi
「細いまゆ毛で、おだやかな性格をだし、鼻スジを通すこで、顔全体に しまり”をつけ"てみたつもり。メガネは、秀才タイプをあらわす小道具として、使ってみました」

Kenta Kouchiyama
「丸い顔に、四角い鼻を描いても、ひょうきん者にはならないんです。ところが、鼻を丸くすると、それがでるんですよね」

秋の新番組2大特集 キャラ設定完成!! 羽根章悦氏が"初々しさ"をねらったという主人公たち
10月13日 (土) 午後7時をめざして着々製作進行中の「ブルーノア」—そのキャラ設定が完成した。2時間の壮大なドラマを構成する主人公たちの誕生である。その魅力を作画者・羽根章悦氏に自ら語っていただくと——.

Interview with Yoshiyuki Hane and Tomoharu Katsumata AM. SFははじめてですか?

Hane. はじめてです。けど、以前から、いちどはぜひ、やってみたいと考えていたジャンルなんです」

AM. キャラ設定段階での苦労は?!

Hane.「主人公には主人公の、ワキ役にはワキ役のパターンがありますよね。それは、ヘアースタイルや目鼻だちなど、いわゆる部品の組みあわせで特徴づけられるんだけど、そのパターンは、すでに描きつくされた感がある。どの主人公も似たような顔になっているわけだから、それだけに苦心しましたね。で、どこにちがいをだしていくかといえば、センスとバランス感覚しかない。鼻や目の形、大きさではなく、ニュアンスのちがいですよね。(個々については下の表参照)ま、キャラ設定では、全員、服装が同じだから、顔つきや体つきを一目見れば、すぐ見わけがつくように個性を強くだしてみたつもりです」

AM. あと、特に注意されたところ!?

Hane.「コスチュームなんですが、潜水艦の中での活動ということを考えて、布地は薄目に、袖は暑いときにはまくれるようにしてみました。ともあれ、主人公たちが"動き"だすのに期待してください!!」

AM. 羽根さんとは、初コンビなんですが、どうですか、彼とのコンビは?!

Tomoharu Katsumata.「少年のもつ初々しさ、そして、弱さと強さをかねそなえたキャラクターを描ける人ですね。もともと、彼の絵はクセがなくて、トリトン的な明るさに特色がありましたけど・・・・・・。とにかく、ブルーノアのキャラ設定に羽根さんが起用されたのは正解でした」

AM. で、演出プランは!?

Katsumata.「ヤマト”には泥くさく感じさせるところがあったけど、それに対してブルーノア”はシャープなセンでいこうと考えています。 ブルノアの絵を見たときに、最初にそう思いましたね」

AM. シャープというと?

Katsumata.「メカ自体そうだけど、 少年たちの青春像もシャープに描いていきたいんです。つまり、スカッとし明るさと初々しさを基調に、ことばのやりとりや感情の動き、仕ぐさなどに現代的な生きざまを感じさせたいですね」

AM. 舞台は海ということなんですが…

Katsumata.「じつは、ぼくは、静岡県下田の出身で、海はよく知っているつもりなんです。海のさまざまな表情や船のカッコイイアングルはだせると思います。もっとも、そのぶん、作画を担当する人はタイヘンですけどね(笑)。ともあれ、海の美しさと怖さを散りばめる中で、めざめていく少年たちを描きます。ぜひ、見てください!!!」

November

1. Reasons for Selecting the Cast

注目の声優キャスティングが決定した。選ばれたメンバーは、いずれも、他作品では主役クラスがズラリせいぞろい!!ブルーノア”ならではの豪華さ″となった。本誌では、決まったばかりの声優さんの喜びの声、また、その選定の理由をいち早く、飯島プロデューサーにインタビューした。もらいました」

AM. 豪華なキャスティングになったわけですが、それぞれ選定の理由は、まず、主役から。

Takashi Iijima.「真相をいうと、じつは、古谷くんは別の役でオーディションに来てもらったんです。ところが、彼の声は、少年、青年の声と、どちらもうまく感情をこめて表現で強引に真の役をひきうけて。

AM. なるほど。ところで、選定においていちばん苦労したのは!?

Iijima.「ケイでしたね。というのも紅一点だから、いろいろ気をつかっちゃって(笑)。それはともかくいろいろな人にオーディションを受けてもらいましたが、勝ち気だが、 かげりも持つというケイの性きる。格に合う声はとにかくむずかしい。結局、 川島くんのベテランの味というか、キャリアを買いましたね」

AM. 土門鋭は!?

Iijima.「これは、早かったです。 独特の太く、重みのある声は、柴田くんならではのものですからね。はじめから決めていました。それに、アフレコ現場でのまとめ役としても彼には期待したいですね」

AM. 和泉は!?

Iijima.「村山くんとは今回がはじめてのおつきあい。オーディションを受けてもらって、びっくりしましたね。というのも、こんなに洋の役にピッタリの人はほかにいないんゃないかと思ったくらいですからね。知的で、しかも若々しい声、それに役のつかみ方もじつブに的確。対立候補もなく即決しました」

AM. 飛鷹は?!?!

Iijima. 「水木くんの声優としての素質は未知のものなので、不安はありました。けど、井上真樹夫くんからの強い推薦があって、こちらも起用に踏みきりました。 飛鷹の役は、第2の主役ともいうべき非常にむずかしい役、けど、ぼくは、水木くんの大きな熱意を買いました」

AM. 清水忠治は!?

Iijima.「独特の悪役ぶりでは第一人者の伊武くんですが、今回は趣向を変えて、デスラーのイメージの強彼を味方側に置くというおもしろさをねらいました」

AM. ドメニコは?

Iijima.「ドメニコという役は、成功すると、すごいもうけ役になりそうな気がするんです。で、最近、実力をめきめきとつけて来た古川くんに決めました」

AM. 井上は!?

Iijima.「堀くんは、まだ26歳。故堀雄二さんのご子息で、俳優としてもデビューしたばかりの青年。作品の中で、井上達也という役は、それほどせりふは多くはない。 堀くんを選んだのは、達也役を通して育ててみたいと考えたためです。ま、若さと、その将来性を買いまししたね」

AM. ところで、最後にユルゲンスなんですが、井上真樹夫さんを起用された理由は?!?

Iijima.「彼の場合、なにしろ、ベテラン中のベテランですから、オーディションもいっさいせず、決定しました。というのも、敵、ゴドムのキャラクター中、いちばん重要な役がこのユルゲンスですからね。刃物のような冷たさのうちに武人としての品格と誇りを秘めた男の役なら、井上くんしかいないと、ひそかに決めていたんです。ま、なにはともあれ、いつも主役を演じて来た彼が、悪役であるこの役をどこまでふくらませて演じてくれるか、たのしみだし、それにものすごく期待していますね」

AM. ともあれ、主役クラスばかりの選定となったわけですが、最後にアニメージュ読者にひとことありませんか!?

Iijima.「チーフ・ディレクター、音響ディレクターそれにプロデューサーのぼく、全員一致協力して、この作品の音の部分を大成功させたいと思ってます。みなさん、ぜひ、見てください!!!」

Voice Actor Comments:

Toru Furuya. ほんとうに長年つきあってきた「巨人の星」のあと番組で、それも、主役をやらせてもらえるなんて、すごく感激ですね。主役としてのタイプはちがうけど、正義感の強い2枚目ということでは共通点がある。そこを、どう切りかえていくか、ですね。ともあれ、SFはだいすき、海もクルーザーを買おうか、なんて思っているくらいだいすき。期待してください。

Chiyoko Kawashima.「キャプテン・ハーロック」の有紀螢をやって、こんどの土門ケイ・なんか 「ケイ」 という名まえと縁があるみたい(笑)。 ともあれ、今回のケイも紅一点。 男の方たちに負けないようがんばって、見ている人に強く印象づけられるような役にしたいと思います。

Hidekatsu Shibata. レギュラーは 「ダンガードA」のキャプテン・ダン以来。 それに、悪役専門だったぼくにしては、めずらしく善玉(笑)。 土門という男をどう演じるか、 まだ決まったばかりで考えてませんが、 大役を大役として受けとめ、 一生懸命やります。

Akira Murayama. ぼくは、ふつうにしゃべると、なぜか、クールな声に聞こえるらしいんです。 根は軽薄(笑) なんすけどね。 それはともかく、 SFドラマに挑戦するのは、 はじめて。村山明の和泉洋を作るつぼく--もり。あいつがやっていちばんよかったといわれたいな。

Masatō Ibu. まだ、 役柄がつかみきれてない んでうまくいえないけど、とにかく“目立ちたいですね (笑)。 ま、一世代前の人間の熱気あふれる生きざまを演じて、いまの若い人たちにビンタを食らわせる心がまえで、やります。 新しい伊武雅之を見てください!!

Ichirō Mizuki. いまの段階では、 まだ、 右も左もわからない状態、 けど、この役にぼくのもつすべてのものをぶっつけます。 なんてったって、 井上真樹夫さんがぼくを飯島プロデューサーに推薦してくれたんだから、その期待に、いっぱい、答えなくっちゃねえ(笑)。

Toshio Furukawa. 演出の勝間田さんとは「ガキーン」以来のおつきあい。 地方イベントで、彼からブルーノアの話を聞き、 ぜひ、出演したいと思ってたんです。 アカデミーが制作するからには、きっと新しいアニメを作るだろうし、 ともあれ、 がんばってやります。

Hideyuki Hori. アニメはすきですが、 まさか、正直いって自分でやるとは・・・・・・。とまどってます。 けど、いい役者になるため、 みなさんのアドバイスを受けながら一生懸命やります。とにかく、親父の名まえを恥ずかしめないような役者にならなきゃと思ってます。

Makio Inoue. 飯島さんの推薦とあって、これまでになく、 うれしいです。 この役は 「ニヒルな正義派」 とは、また一味ちがう役。 しかも、従来の敵方とは毛色がちがう。 ぼくもぶつかりがいのある役です。 とにかく、選定された以上、 演技でそれに答えます。

3. Reporting on the Production Site

9月7日金曜日、まだ夏の暑さが残るこの日、当方は、東京・池袋か西武池袋線に乗る。で、およそ分、練馬駅に到着。そして、駅から歩いてまた15分、静かな住宅街の一角にアカデミー製作がある。一見、静かそうな4階建てのビルだが、このビルの中は、まぎれもな戦争"のまっさい中なのだ。

まずは、2階の製作室へ。人の出入りがはげしく、こちらも目がまわりそう。と、そこへ、プロデューサーの野崎欣宏さんが出迎えてくれる。「ありゃ、きょうは何だっけ!!」なにしろ『ブルーノア』の取材のため、連日、スタジオにおじゃている当方、おなじみの顔になってしまっている。それはさておき、一番忙しそうなのが進行のSさん。スタジオのあっちこっちを飛びまわっている。「野崎さん、棚橋さんは!!」よく見ると、無精ヒゲがのび放題。「あ、きみも、きのう、ここで寝たんだって!!!」「ええ、もう、コケーッとしちゃって」と、実際にコケるポーズ。「じゃ、アレ、見たろ!」「アレですか、見ました、見ました、おれ、驚いちゃってさー」「おれもだよ。4階行って、ベッドを見たら、床にハダカでころがってるやつがいるんだもんな!」やれ忙しいのは、どうやら、まっ昼まだけではないらしい。つぎに、3階にある演出、作画の部屋をのぞいてみると、チーフ・デレクターの棚橋一徳さん、作画監督の小泉謙三さんを中心に、なにやら熱心に討議中。で、おじゃましてはと、隣の作画室にまわると、一転、この部屋はシーン。大勢の動画マンが黙々と仕事をつづけている。作画室のむかい側には、仕上げの部屋がある。ズラリと並んだ絵の具のビンやトレースマシン、特殊効果用エアーブラシなどが、ところせましと置いてある。と、スタッフの一人が声をかけて来た。「いいテープ・レコーダー持ってますね」当方のテープレコーダー、取材用に買ったばかりの新型。「ね、あそこにあるボロテレコと取っかえない?オマケに「ブルーノア』の設定書つけるからさ」じょ冗談じゃない。当方、あわてて、その部屋をかけぬけて、演出の部屋に戻る。と、右手にウイスキ左手にタンブラーの男、登場。飯島プロデューサーである。「いや、もう疲れちゃってねえ。少し、エネルギーを補給しないとくたばっちゃうよ」というわけで、野崎さん、棚橋さん、そして、小泉さんは、ここでひと息。一段落したところで、みなさんの意見を聞いてみる。まず、棚橋さん。「つい最近、この仕事をやることに決まったばかりで、まだ見当がつかいうのが、いまの心境。これからがたいへんですね。スケジュールに追われっぱなしですけど、おもしろい話にするようにがんばります。でも、この状態がつづくと、頭がおかしくなっちゃうな。ああ、早く、映画見て、酒飲んでノンビリしたい」つぎに、小泉さん。「2時間ドラマを作るのは、すごくたいへんだということを改めて味わいました。羽根さんのキャラは、独特の重みがあって、しかも淡白な印象を与える。若いアニメーターたちは、ちょっと描きにくいところがあるんじゃないかな。いま一番やりたいこと!!そりゃ、たっぷり寝ること(笑)」テレフィーチャー演出の勝間田具治さんは、ほかのスタッフが休憩中にもかかわらず、一人、黙々と絵コンテのチェック中。それにもめげず、当方、強引に仕事を中断してもらってインタビューを申し込むと、「いやあ「燃えろアーサー』と『キャプテン・フューチャー』の演出がってから「ブルーノア』に加わたんです。だから、そのぶん、急がないと(笑)。ともあれ、この仕事は最高にのってます。羽根さんのキャラのシャープさには驚かされましたしね。それと、いまのところ、ぼくはテレフィーチャーだけ参加するんですが、できることなら、シリーズもやりたいですね。戦争中の船の中からぬけだした若者の、のびのびとしたドラマなんかやってみたいな」取材が終わるころには外はもう夜。おそらく、スタジオの明りは一晩中、消えないにちがいない。取材の時点では、テレビ放映まであと1か月あまり。AM11月号発売後4日目に放映されるわけだが、製作は、これからがラストスパースタッフの方たちの熱気、これが、すばらしい作品を支える力だということを改めて知った一日でした。

Hideaki Yamamoto Interview

AM. 2時間という新しいワクのとまどいはありませんでしたか?

Yamamoto.「映画をよくやっているので、その心配はありませんでした。それに、説明することが多いんで、2時間でも足りないくらいでしたよ」

AM. 本格SFドラマということでとくに気をつけた点は?!?

Yamamoto.「ぼくは、SFのことはよくわからないんで、もっぱら、SF設定の金子さんにレクチャーを受けました。ただ、ドラマというのは、やっぱり、人間中心の話ですからね」

AM. シナリオ製作上の苦労は!?

Yamamoto.「時間に追われたこと(笑)。 手直しをふくめて1か月、ぼくの新記録ですね。ま、できたら、ぼくの通常のペース、あと2週間くらいはほしかったんですね」

AM. ファンにひとこと。

Yamamoto.「ゴドムの侵略で生活を破壊された人間たちが、その圧力にたちむかっていくというドラマを感じとってほしいですね」

Yuji Kaida Interview

銀映社といっても、アニメ界ではなじみの薄い名まえだが、雑誌のメカ・イラストでは、たいへん、有名な会社である。その銀映社が今回、はじめて、アニメに関わることになった。スタッフの一員として大活躍中の開田さんに、アニメ“初体験”の感想から、うかがってみると---

Kaida.「いれこんでます。やりたくてしかたがなかったですからね」

AM. ブルーノアの特徴をひとことでいうと?!?

Kaida.「これまでのアニメでは、考えられなかったリアルなメカです」

AM. どういう点が!?

Kaida.「ぼくと、同僚の増尾隆之くんそれに、金子隆一さんに加わってもらって、しっかりしたSF設定を基本としましたから」

AM. 苦労した点は!?

Kaida.「兵器類に、いかに、リアル感をもたせるか、ですね。ブルーノアの切り札、反陽子砲も、SFとしてぜったい、おかしくない設定にして「みました」

AM. 敵メカは!?

Kaida.「イメージとして、昆虫のもつ冷たい感じの曲線を参考に、ゴドム組織化された冷血さをだしてみました」

AM. めざすものは?!

Kaida.「できれば、小沢さとる先生の『サブマリン707』とか『青の6号』のような、味のあるメカ作りをしたいと考えています」

Ryuichi Kaneko Interview

現在、 中央大学の学生。 大学ではSF研究会の活動に没頭するあまり、ただいま、5年生。

AM.『ブルーノア』にかかわったきっかけは!?

Kaneko.「ぼくの先輩に銀映社でSF関係の仕事をしている人がいるんです。ある日、電話があって『潜水艦と空母の資料を大至急集めてくれ』という。さっそく届けに行くと〝アカデミー"に連れて行かれ、野崎さんと話をしたんです。ぼく、アニメのことは、ぜんぜん知らなかったんですが、ブルーノアの三面図を見せてもらっていろいろ意見をいったんです。そしたら『SF設定をやらないか』という話がでてきちゃって(笑)」

AM. 実際の仕事は!?

Kaneko.「まず、基本設定の手なおしをしました。たとえば、最初、ブルーノアは光波ブースターを組みこむことになっていたんですが、ブルーノアがあの形のまま、大気圏脱出をはかるには、光波ではだめなんですよね。で、反重力ブースターというふうに名まえを変えてもらいました。ま、基本設定さえしっかりしておけば、話をふくらますのはむずかしくありませんからね」

AM 苦労した点は?!?

Kaneko.「アニメの絵にSF設定をとけこませる点が一番苦労しましたね」

AM. どういう作品にしたいですか!?

Kaneko.「番組が終わったときに、SFファンが「おう、これはSFだった』といってもらえたら、満足ですね」

Episode Summaries

若き獅子たちの誕生 (episode 1, 10/13)
西歴2052年。 異星人ゴドムの襲来で地球は潰滅し日下真は父母を失った。 「ポイントN1へ行け。そこに地球の未来が・・・」 父の遺言に従って、南鳥島へ向かう真途中、なぞの少女ケイを知った。彼女もまた母と弟を失い、一人の男を憎んでいたのだ。真たちが向かうポイントN1には果たして何が待っているのだろうか...?

ブルーノア 南下す! (epsiode 2, 10/20)
バミューダ海域のポイントN9で、ブルーノアは旧ポナペ島のゴドム基地建設のために連行される地球人を目撃した。「彼らを救出せよ!」 土門の命を受けた真、ケイたちは潜水艦シイラブポナペ湾に潜入する。が、その前にゴドムの怖るべき液状生物が待ち受けていたのだ!

サンゴ礁救出作戦 (episode 3, 11/3)
かつての美しき島ポナペはゴドムの基地と化し、多くの地球人が奴隷のように酷使されていた。真たちは、夜明けと同時に地球救出作戦を決行。ポナペ島収容所にいた日本人パイロット飛鷹少年の協力で、無事全員救出したかに見えた。だが、そのとき・・・・・・。

ゴドム基地の秘密 (episode 4, 11/10)
ゴドムの地球占領計画は着々と進んでいた。しかし、太平洋の多くの島々に重水工場や基地の建設を急ぐゴドムの真の目的がわからなかった。おりしも旧マーシャル諸島のクエゼリン環礁に謎のオーロラが見られた。そこで土門は、真たちにゴドム基地の秘密を探るよう命じた。だが、そこにもゴドムの思わぬ罠が......。

December (Animage)

Comment by Takashi Iijima

テレフィーチャー形式(2時間7ク)からはじめた点は、試みとしても大成功"だと思っています。ただSF資料の消化に少々、とまどった点もあり、1時間30分を設定の説明だけについやしてしまったのは、多少、つめこみすぎのきらいがありましたね。よくばりすぎたのかな(笑)。ともあれ、これからのシリーズでは”ドラマ"部分に重点をおき、たっぷりとストーリー展開をたのしんでもらうつもりです。羽根章悦氏の描くキャラクターは、一見、特徴がなく、淡白な印象を与えると思うんです。がそこには、羽根氏一流の持ち味〟というのがある。テレフィーチャーでは、この微妙なニュアンスを、若いアニメーターたちが生かしきれなかった感がありますね。今後は、アニメーターたちにもっと描きこんでもらうなかで、羽根氏のイメージをできるかぎり、生かしていってもらうつもりでいます。それと、メカ部分でいうと、ブルノアそのものの巨大さや質感を表現しきれなかった箇処があり、っとものたりない感じです。今後、メカ部分に関しては、美術撮影の人たちと協力しあうなかで、メカの質感とたのしさを見せていきたいと考えています。美術は、たいへん苦労しました。というのも、海が舞台なので”描写"に苦労がある。たとえば、海の深さを表現するのに撮影のとき、セルの上にパラフィンや板ガラスをのせてみたんだけど、まだ、明解じゃない。海中では深度によって色がちがってくるし、視野の角度によって色のトーン、明るさの段階も変わってくる。その描写がまだまだ完全とはいえなかったので、これからもっと研究を重ねて、リアルな画面作りをしたいと思っています。主題歌は、イメージ刷新でロック調の明るい曲、平尾さんと川崎麻世くんの起用は大成功でした。BGMは、地球側を平尾さん、ゴドム側を宮川泰さん、編曲音楽平尾昌晃船山基紀さんに頼んだのですが、第1話の段階で完成したのがおよそ100曲。かえって、選曲にとまどうほど。というわけで、音楽ディレクターでもある西崎義展さんをひっぱりだすことになったんですが、今回の成功を、シリーズのなかでも十分に生かしていくつもりです。効果音は、映広音響(東京・四谷)にたのみ、非常に高密度な音を作ってもらいました。それに、効果音の種類も豊富で、一般の30分アニメのおよそ5倍くらいもの量ができたんですが、これがまた「ブルーノア」の音楽性と直接にぶつからないようにくふうがこらしてあった点が大成功でしたね。真役の古谷徹くんには前々から、「〝飛雄馬"じゃない」ということを何度もいいふくめておいたんです。で、ラッシュもアフレコ前に見てもらい、台本も早目に渡して研究してもらっていたんです。さて本番、安心しましたね。あとおもしろかったのは、土門役の柴田秀勝さんと清水役の伊武雅之さんが、演技の上ではりあっていた点。こういうはりあいが、ほかの人の演技をプラスにもっていってくれると期待しています。ユルゲンス役の井上真樹夫くんははまり役。また、和泉役の村山明くんをはじめ、若者役は声質にバラエティがあり、今後、どういうふうに成長していくか、たのしみです。

Comment by Motoo Fukuo

視聴率が11・4%、少なくとも、「15」はいってもらいたかったですね。自己反省になるんですが、以下の4点に問題があったと思います。いまや、テレフィーチャーはめずらしなくなった2ドラマに”完結性"がなかった③ヤマトに似ていた戦闘シーンが多すぎた―とにかくがんばります。今後にご期待を!!

Comment by Seiji Matsuoka

という極限状況のなかで、若者は何に生命をかけたらいいのか、また、愛の問題は・・・・・・日下真、そして土門、彼らをめぐる人間関係をたて糸に話を考えています。

Comment by Kenzo Koizumi

というのは、回を重ねるにしたがたがい、勝手に一人歩きをはじめてしまうんです。ぼくは、そっちの“成長”のほうがおもしろいと思うので、キャラはアレンジして動かしています。

Comment by Geki Katsumata

なにしろ、海洋を舞台にしたドラマははじめての経験、調整がまだ不十分な状態でした。空間の表現、とくに海中シーンは、研究の余地がまだまだ、いっぱいあると思います。

Comment by Masaaki Hirao

曲が多くてレコーディングは毎日、徹夜。けど、全体として、ック・シンフオニーのイメージにまとめ、リズムを生かして“若さ”を表現するという試みは成功したと思うので満足です。

Comment by Katsumi Ota

数ですか、1300種くらいですかね。「宇宙」「海中」「陸上」の?つにわけて作っていったら、そのくらいになんですよ(笑)。と あれ、未来的な音を今後も研究してみます。

Comment by Toru Furuya

真の明を表現すめに、ちと高いトーで声を前面にだすようゃべり方をしてみました。今後はその意識をなくして、芝居を広げていけたら、最高だと思っています。

Kazunori Tanahashi Inerview

AM. テレフィーチャーでの反省は!?

Tanahashi.「ちょっとイメージが暗い部分が多かったかもしれませんね。今後、もっと明るいドラマにしていくつもりです。あまり、悲愴感を前面にだすと、若者のもつイメージがくずれてしまうから」

AM. ズバリ、今後の展開は!?

Tanahashi.「とりあえずは、親子関係の問題を描いてみようと思っています。これは、土門鑑長とケイの話です。つまりケイは 家族をすてた”父の鋭を憎む。ところが、そのころ土門には、ブルーノアの艦長になるという極秘任務があったわけです。 この愛情関係の葛藤ですね」

AM. 真はどういうかかわりを!?

Tanahashi. 「ケイをすきになる。しかし、ケイはそれどころじゃない」

AM. どうなるんですか!?

Tanahashi.「あとはテレビを見てくださいよ(笑)」

Episode Summaries

ゴドムの地球改造計画 (episode 5, 11/17)
ポナペ島収容所から救出した人々からの情報により、周辺の島々の大半がゴドムの基地、工場と化していることがわかった。土門はクエゼリン島に上陸して基地の秘密を探って来いと真たちに命令した。それは思った以上に難問だった!!

南海のアダムとイブ (episode 6, 11/24)
ブルーノアに救助された現地人の少年カピラとその恋人タラが艦を降りたいと言いだした。 ゴドムに荒らされた故郷の島を、以前のように南海の楽園に再建したいというのである。だが、 土門はなぜ猛反対するのだった。

燃える南十字星 (episode 7, 12/1)
航行するブルーノアのまえにピンク色に輝く巨大な塔が!!調査の結果、ゴドムの静止衛星との輸送エレベーターと判明した。 土門らは攻撃を開始。だが、そのまえにユルゲンスの大機動部隊が!!

あの塔を撃て! (episode 8, 12/8)
ユルゲンスの機動部隊は、ブルノアとシイラの共同作戦の前に敗退。 土門たちは再びゴドムの塔を攻撃する。だが、なぜかミサイルもレーザー攻撃も歯が立たない。

December (The Anime)

Episode Summaries

ゴドムの地球改造計画 (episode 5, 11/17)
クェゼリン島・ゴドム基地を攻撃するブルーノアの砲塔。カピラと真はレーザカメラで工場や施設を撮りまくった。 と、そこで不思議な体験をする。 空気の壁と、異常な圧力のある地点を発見したのだ。 そこには金属プレートがあって、ゴドム兵が射った弾丸さえ落下してしまったのだ。ブルーノアに戻った真はそれが、ゴドムの地球改造の新兵器だったことを知らされる。「ゴドムは地球を自分たちの体に合った星にするために、地球を改造しようとしているのだ!」

南海のアダムとイブ (episode 6, 11/24)
クェゼリン島に上陸して、真とともに反動力実験所の秘密を探り出したカピラはその時、貝がらのペンダントを発見した。そのペンダントは最後まで島を守り抜いた自分の父親のものであった。「自分も父のように、島に残り再び美しい楽園を取りもどしたい!」その望みは一度は拒絶されるものの艦長はケイの説得に応じて進路をクエゼリン島へと変更した。

燃える南十字星 (episode 7, 12/1)
ゴドム後方基地ではユルゲンスとゾルゲルが激しく言い合っている。総監督の命令で機動部隊の勢力を半分、北方にまわさなければならなかったからである。ゴドムの監視衛星が北上するブルーノアの姿をとらえていたのだ。しかし、ブルーノアはその直後、潜水して南へ転進していた。ギルバート島へと進路を取ったブルノアの前方にゴドムの艦船群、いよいよ決戦の時が迫った。苦戦を続けるブルーノアを果敢に援護するシイラと水中戦闘機。そして、ブルーノアは最後の決断をくだした。核融合ミサイルが発射され、ゴドム艦船群はアッという間に蒸発する。ゾルゲルとユルゲンスは苦悶に満ちな表情で天を仰ぐ。

あの塔を撃て! (episode 8, 12/8)

ゴドム機動部隊の中枢は海上から大気圏外に抜ける巨大なクリスタルの塔である。この塔はミサイル攻撃もレーザー砲でさえビクともしないのだ。残された方法は反陽子砲しかない・・・・・・、しかし反陽子砲を使うとブルーノアは10分間すべてのエネルギーを停止しなければならないのだ。一方、ゾルゲルたちは、クエゼリン島のカピラを発見した。

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Coverage of "Urusei Yatsura" in 1982 (Animage, The Anime, My Anime, Animedia)

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