Saturday, November 12, 2022

Coverage of Lupin III [Part 2, The Castle of Cagliostro] in 1979 (Animage, The Anime)

January

Comment by Kazue Tokita

S33年生まれの私の子供の頃は、ちょうど手塚治虫氏をはじめとするテレビアニメの全盛期でした。 作者の意を得点が線となり形づくられ、 1個のキャラクターをもつものとして活躍するアニメ界の主人公達のそのキラキラした表情を今でも覚えています。 ルパンIII世の場合、 パート1からのファンでしたし、 パート2にいたっては、 より人間性を増した魅力的な彼らの再登場を秘かに喜んでいたものです。 ですから、テーマ曲の作詞募集の際も、 メロディアスな彼の動きに合わせて気楽に書いてみました。 後で5000通もの応募があったと聞きましたが、 その応募範囲が3つの坊やから60才を越えたおじいちゃままであったとか・・・そのファン層にも驚かされます。(作詞原案者)

Episode Summaries

ルパンを呼ぶ悪魔の鐘の音 (episode 62, 12/11)
地図にもない小さな村、ゲマルシャフト。この謎の村で次元と五右ヱ門は不覚にも捕われてしまった。ルパンはいつになく緊張し、完全武装のいでたちでそこに潜入。

一罠には罠を! (episode 63, 12/18)
アメリカ一の金持ち、ドン・ケッチが1000億ドルの資産全額を社会福祉に寄附すると発表。それを聞いた不二子は目の色をかえルパンに相談する。だが、ルパンは善人の金には絶対手を出さないという固い信念。

クリスマスは女神の手に (episode 64, 12/25)
ニューヨークのティファニーは開店以来1度も泥棒に入られたことがないという一流の宝石店。そこへ、ルパンはいやいや乗り込むはめになった......。

犯罪王対ルパン (episode 65, 1/8)
ココダット王国の王女さま誕生日に突如おこった重大事件!

February

Episode Summaries

射殺命令!! (episode 66, 1/15)
ルパン三世に、インターポールから射殺命令がでた!?! ルパンをつけねらう刑事は、ニューヨークからやって来た殺人鬼のような男・ビューティだ。自慢のコルトパイソンの標準をピタリとルパンにあわせ、彼は満足そうにつぶやいた。「おまえの命は明日までのものだ」

ルパンの大西遊記 (episode 67, 1/22)
昔、三蔵法師が立ち寄ったといわれる謎の国、棋魔山。その宮殿には途方もない財宝があると聞いルパンたちはそんなうまい話を見逃がすわけもなく、さっそく宝探しに出かけたが・・・。

カジノ島・逆転また逆転 (episode 68, 1/29)
アメリカ大統領選挙出馬のドミノ氏が経営するカジノ・パラダイスには5億ドルの金が眠っている。ルパンはテレビを使って、この5億ドル強奪を予言した!ニューヨーク沖に浮かぶ高層ホテルの島カジノ・パラダイス。ルパンは予告どおり、5億円を手中にできるのか….....?

とっつあんの惚れた女 (episode 69, 2/5)
銭形警部がニューヨークマフィアの手から助けだした女は、なんいまはなき世界的大富豪、ポマード・ジョーズの奥さんだった人。これがまた絶世の美女だったものだから、がらにもなく銭形警部はすっかりまいってしまった。

March

Episode Summaries

クラシック泥棒と九官鳥 (epsiode 70, 2/12)
ルパン・次元・五ェ門はどうしたことか警察に自首をして、牢屋にぶち込まれる。 不審に思う銭形警部。「これはなにかあるぞ!」

ルパン対新選組 (episode 71, 2/19)
三代目近藤勇とルパン三世は、手をくんで、津軽海峡沖に沈んでいる軍艦につまれた秘宝、黄金大砲を引き上げようとする。黄金大砲は30億ともいわれる珍品だ。
スケートボード殺人事件 (episode 72, 2/26)) 伝説のサファイア、ソロモンの瞳をねらうルパンと不二子。だが、持ち主のクィーン氏が殺されてしまった。嫌疑をかけられてつかまったルパンはなんとか汚名をはらさねばと心に誓うのだったが・・・。

愛すれど、心哀しく(episode 73, 3/5)
ルパンたちは、アフリカのボロディアス連邦国の独立を助けるべ大統領から頼まれる。 そしてそれは昔、次元が命を助けてもらった美人アンジェリカの頼みでもあった。もし失敗してつかまれば、殺されることは間違いない。だが、次元は借りをかえさねばと・・・・・・

April



Comment by Seiji Takahashi

「ルパンを作るうえでいちばん苦しいのは、奇想天外なおもしろいアイデアをつぎつぎと生み出すことですね。じつ……これらのアイデアや、スピーディなストーリーや特異なゲストキャラなど、ルパン三世の魅力を考えるのは、ひとりのシナリオライターではなく、秘密企画集団があるんですよ。」「視聴率が30%を越えたけど、ここまできたらサザエさんを抜いて、ものすごい怪物番組にしたいね。」

Comment by Seijun Suzuki

「ルパン三世たちは、感受性の高い人間たちなんですが、映像としてどう表現するかです。 ストーリーについては、ひねりがほしいですね。」大和屋「ルパンはじつにクールなんだ。これを表現するには、ぜったいに激しさが必要だ」

Comment by Junichi Iioka

「杉村さん(脚本家)、このシナリオ、出だしをもつと切ってください」

Comment by Noboru Sugimura

「えつ(ビックリ)、すごいことを簡単にいうんだからなア(笑)。」(すでに、原稿を切って切って限界なのに…。 キビシイー!!)この企画集団は毎週2回集まり、シナリオ初稿をテッテイ的に討論して、直していく。スサマジイ火花が散ることもあるし、アルコールが入って〝男の美学論”になるときもしばしばゲスト・キャラやアイデアは泊りこんで考えだす。できるまでは外に出られないのである!!!

Comment by Jun'ichi Iioka

「この企画集団では、古今東西のピカレスク・ロマン(悪漢小説)はすべて読破しました。ハメット、チャンドラー、ロス、マクドナルドなどの正統派ハードボイルドも研究しています。最近の作家では『悪党パーカー』のリチャード・スタークなんておもしろいですね。そして、これらを整理分類して、ストーリー作りに役立てています。魅力的で個性的なゲスト・キヤラも、すべてここで考え出したものです。とにかく、アイデア、アイデア、アイデアで、毎日、ルパンのことしか考えていません」

Comment by Seijun Suzuki

監修の鈴木清順さんこそ、あの日活アクション全盛時代、映画史に残るような傑作を数多く作った名監督なのだ。渡哲也主演 『東京流れ者 高橋英樹主演 『けんかえれじい」 小林旭主演『関東無宿」穴戸錠主演『殺しの烙印』、その他、野川由美子主演 『肉体の門』などを手がけている。

Episode Summaries

「恐怖のカメレオン人間」 (episode 74, 3/12)
ルパンが世界一のダイヤモンドの原石を盗んだ。ところが、目に見えない何者かが盗み返した。なんと、そいつはカメレオン人間! 肌の色が変わるのだ。

「不二子の花嫁衣裳はにあわない」 (episode 75, 3/19)
なんと不二子が世界的な大富豪でプレイボーイのハフナー卿と結婚した。ところが嫉妬に狂ったか、ルパンが不二子を撃ち殺してしまったのだっ!

「シェークスピアをしってるかい」 (episode 76, 3/26)
昔、次元の命を救ったアンジェリカが、助けを求めてきた。独立運動で戦うオセロ博士を救出するのだ。だが裏には、アメリカの汚い謀略が隠されていた。

Voice Actor Thoughts

もしかしたら、山田康雄のキャラクターとこのアドリブがなかったら、ルパン三世はこれほどの人気番組にならなかったのではあるまいか!!

Case 1:

69話「とっつぁんの惚れた女」下図のコンテとアフレコ台本のNo.307ではルパンのセリフはないのだが、ここで山田さんはなんといったか?ルパン「ウフフフ、カバネつて、バカね!」このダジャレ、ルパンのワナに知らずにはまったバカな敵の状況を、ピタリといいあらわしている。 このアドリブには、副調整室で聞いていたスタッフ一同、大笑い。

Case 2 (69話):

ラストの部分、シナリオでは、銭形「急に振り返り)ルパン!あしたからは、また貴様を追いかけるのだ。首を洗って待つてろよ!」ルパン「(ニッと笑い)受けて立つぜ、とっつぁん。覚悟しな、コテンパンにしてやるからな二人は不敵な笑いを浮かべ、見つめあった.(終)これが、コンテとアフレコ台本では左図のように変更になった。長いセリフを短くして、絵のおもしろさで表現した。ところが、山田さんは、ルパン「はいはーい!さ~て、首を洗いにいこーっと!!」じつに、このセリフのタイミンが絵とピッタリと合っていて「わ、わかったよ!」のひと言では中途半端だったラストがオチとしてピッタリと表現できたのである。

Case 3 (70話「クラシック泥棒と九官鳥」):

とっつぁんが、パトカーでルパンのベンツを追いかけているとき、別の車とガチャン!すると、とっつぁんが、「この野郎つ、キサマ、前方不注意で逮捕するぞ!!!」と、すごい大声で怒鳴る。その横をベンツのルパンが走り抜ける……………「ガンバレよ!」と、声をかけながら、「デッケェ声だな」と、第一のアドリブ。とたんこ、こんどはベンツがぶつかりそうになって、ルパンは、「あわ、わ、わアッ!!」と、わめいて、自分の大声に気づく。「こんど、オレがデッケェ声!」スタッフは大爆笑。

Case 4 (70話):

まだまだある。ルパンが重い金庫を持ちあげるとき、手にツバをするのだが、山田さんは本当にツバをプッ、プップッと飛ばしている。おかげでマイクはびしょぬれ山田さんのアドリブのおもしろさは、どこからくるのか。演技としての計算があるのか?山田「とんでもないっ。アドリブなんてものは、計算外の即興のおもしろさですよ。」ところが、次元役の小林清志さんが後ろから声をはさんだ。小林「いやいや、ちゃーんと計算してるよ、カレは。だまされちゃだめだよ。」どちらが本当なのだろう?わからないところが山田さんの絶妙なる演技力なのだろう。

Comment by Satoshi Kato

声の演技に全責任を負う録音監督の加藤敏さんに聞いてみた。「ルパンの場合、旧作もあつたので、みなさん、ふんい気はよくつかんでいましたよ。アドリブはフリーパスで、大いにやってくれといっています。テストのときなんか、アドリブだらけ。そこでふるいわけて、本番のときには、だいたい決まっていますね。」加藤さんが、録音監督として押さえるところは押さえているからこその自信だった。

Comment by Atsushi Yamatoya

ストーリーのなかで、毛沢東とニクソンが会談するシーンがあるんですけど、3年後に実現しているんですね。演出の大隅さんとビックリしたもんです。ルパン像というものは、あの当時もいまも変わっていないとボク自身は思っています。ルパンはメチャクチャでハレンチだけど、高級なダンディズムの美しさがほしいなア。

May

Episode Summaries

ルパン葬送曲 (episode 79, 4/16)
宝石をちりばめたイブニングドレスを身にまとい 不二子はご満悦顔。それもそのはず、 きょうはモーマニット・キヨランスキーのコンサート。 この男、ダイヤモンドの指揮棒を振るというのだから一見の価値ありだ。もちろん、ルパンもついていく。

現金に手を出すな (episode 80, 4/23)
シルバーさんがしゃばに出た。列車強盗の札束隠し場所を知るのはじいさんだけ。ところが、その隠し場所に重罪犯専門の刑務所が建ってしまった。それを知ったルパンは、自らその刑務所に自首をした。

不二子、オレも男だッ!! (episode 81, 4/30)
不二子の誕生日に、ベルテンベルグ塔にある金ピカのミストレルの鐘をプレゼントすると約束したルパン。さっそくいただきに塔の上に登ったが、なんとその鐘は、真ちゅう性のにせものだった!!

とっつあん!これが男の世界だ! (episode 82, 5/7)

June

Lupin Union Fan Club Interview (Moderated by Toshiharu Omori)

Toshiharu Omori. それぞれ、好きなところをいつてもらおうかな。

Kazuyuki Umemiya. 次元は、ハードでダンディなところが好き。やたらと気どらないし、なんといっても早射ちでカッコイイかち...

Takako Abe. 五右ヱ門は見た目のイメージが大好き!

Omori. 美形キャラだから? (笑)

Abe. ハカマをはいて、いかにも日本人でしょ。 それに、いちずなところが いいのよね。

Yuri Ishikawa. あたしは、その五右ヱ門のいちずなところに反発を感じる。 次元は現実をよく見ていて、気どったところがないの。

Nakajima. 五右ヱ門って、いまのところ女性関係がないから好き(笑)。もし、恋人ができたら、 きらいになる。(爆笑) Nakamura. 一見、五右ヱ門は冷たく見えるけど、それは遠くから見守っているという感じ。 めったなことではくじけないし、さとりをひらいているんだな。 Omori. こんどは、 あいての

きらいなところをテッテイ的にいっちゃおうか。

Yasunori Maeyama. 五右ヱ門の二重まぶたがきらいだな。

Omori. えつ? 五右ヱ門は二重まぶただった?

Makoto Shindo. 設定ではそうです。

Hisashi Nakamura. 次元のとがっている鼻がきらいだな。

Shindo. とれそうだよ(笑)。

Misa Nakajima. 次元のヒゲが大きらい!

Omori. あつそう、ヒゲがきらい...... (一同、大森氏のヒゲを見て爆笑)

Ishikawa. 五右ヱ門の態度が好きじゃないの。 ドロボウ集団に身をおいていながら、まじめぶってるでしょう。

Nakajima. でも、真っ白な純情で、はずかしがり屋で、子どもみたいなところがいいのよ。

Umemiya. 五右ヱ門は自分の立場や状況を理解していないときがある。

Maeyama. あまり、 リコウじゃないな(笑)。五右ヱ門派ワァ~~くそんな・・・。次元と五右ヱ門の関係は? ルパンも次元も五右ヱ門も、深いところでは強く結ばれているとおもう。ただ、五右ヱ門は無意識のうちにルパンをライバルと感じていますね。

Nakajima. でも、それは五右ヱ門がおのれにうちかつための目標としてですよ。

Nakamura. 五右ヱ門は、ルパンを遠くから見守っているという客観的なところがある。 次元はいつもルパンと行動をともにする。そういったちがいがある。

Shindo. 五右ヱ門は武士としての独自の世界をもっているから、ルパンと次元がいつもいつしょでも、そんなに意識はしていない。

Omori. 次元と五右ヱ門は、おたがいに胸の内を開いているかな。

Umemiya. あくまで、ルパンが媒介。魔毛狂介が出るはなしで、ルバンがいないとき口論していた。 Shindo. ルバンがいないとバラバラになりそうだな。『ルパン三世』はまだ何年も放映されるが、かりに終わるとすれば、どのような最期がそれぞれふたりに似合うだろうか、読者諸君も考えてほしい......。

Omori. ルパン・ファミリーのなかで、ふたりはこれからどうなるかな?

Maeyama. やはり、五右ヱ門はルパンを裏切るんじゃないのかな?

Nakajima. 裏切りではなく、離れていくだけじゃないかな?

Nakamura. そしてまた、いつか出会うんだよね。

Umemiya. 次元は、ルパンが盗みをやっているかぎり、どこまでもついていくと思う。

Maeyama. いや、ニューヨークにもどって、殺し屋稼業になるかも......。

Shindo. 五右ヱ門は、ルパン以上の敵があらわれたら、自分にうちかつため、そちらに向かっていくかもしれない。

Nakajima. ルパンより女を選べば、おもしいけど。(笑)

Omori. 新たな敵と闘うとき、五右ヱ門はルパンに助けを求めないかな?

Abe. (きびしい顔で・・・) 五右ヱ門はひとりで闘いますよ。

Shindo. ああいう人間は、ひとりで死んでいくよ。

Nakajima. とってまで生きていてほしくない。

Shindo. 不二子の裏切りで死ぬんだよ、きっと。

Maeyama. ルパンと次元を救うために、犠牲となって、壮烈な死をとげるんだ...いいなあ、印象的だな(笑)。

Omori. 五右ヱ門は、やはりルパンを教うために死ぬんだろうね。ライバルだと思いつつ、そのライバルを乗り越えるには、死をもつて......。あるいは、かつて百地三太夫との闘いでルパンにみくりや救われた恩をかえすために......。

Maeyama. 感じだなあ。 おのれの美学のために死ぬんでしょうね。

Omori. なんとなく結論がでたね(笑)。

Comment by Kiyoshi Kobayashi

クールな男といわれているけど・・・・・・悪くいえば自主性がない。よくいえばルバンを背後からささえる女房役。宿命的出会いがあって、ルバンの魅力に巻き込まれた人間。ルバンに批判的かというとそうでもないし、知恵者でもない。本当にクールなのかな?ルパンがいなくなったら、彼はゼニでやとわれて動くような男なのかもしれないね。

Comment by Makio Inoue

五右ヱ門は一言でいえば寡黙な男。私もベラベラ立て板に水といったタイプではないので内面的には似たところがある。五右ヱ門は本来男らしい一面があるが、 ここのところ“沈黙”ばかりで"らしさ"を出すのが難しい。自分で声をやっているからいうわけではないが、もっと本来の特異なサブキャラの面を出していった方がいいと思うが・・・・・・・

Comment by Mikuriya Kyousuke

そう、次元と五右ヱ門は、ルパンがいなかったら別れてしまうでしょうね。やはり、心を許していないのかな。実際、ふたりだけのシーンで、どんな会話のやりとりをさせるか、でてこないときがある。 次元は現実をよく見ているおとなだけど、五右ヱ門にはまだ青くさいところがある。ただ、そういった対照の妙をたのしんで演出することもある。

Comment by Kitahara Takeo

五右ヱ門はルパンの人間性にひかれていうしょにいるだけで“仲間”という意識はないんじゃないかな。ルパンと次元がドロボウ稼業をやっていても、ひややかに見ていますでしょう。五右ヱ門は、ルパンが持ち込んでくる危機の極限状態にあこがれているだけ、といえるんじゃないかな。でもどちらも魅力あるキャラだな。

Episode Summaries

ルパンの大西部劇 (episode 83, 5/14)
不二子とラブシーンができるCMだと聞いて、ルパンはあっさり出演をOKする。だが、テキサスでルパンをまっていたものは・・・・・・

復讐はルパンにまかせろ (episode 84, 5/21)
かつて、世界一といわれた殺し屋・スペードのジョーが寄る年波には勝てず、殺しをしくじり追われる。連絡を受けた次元。

ICPO秘指令 (episode 85, 5/28)
ニューヨークの宝石店をおそったルパンたち。だが、横あいから盗んだ宝石をうばわれ、ルパンも不二子もカッカカッカ!!

謎の夜光仮面あらわれる (episode 86, 6/4)
ハリをおそう仮光仮面ガルパンだと疑うICPO総監。世界的なミステリー作家・コナン・ドリルの手をかりてルハンを追う。

July

Story Submission Announcement

人気絶頂のアニメーション『ルパン三世」(NTV月曜夜7時放映)では、9月で放送1000回になるのを記念して、ストーリーを広く全国から募集していた。このたびその最終審査がおこなわれ、入選作4編、佳作4編がそれぞれ決定した。応募総数、およそ5000通。応募者は9歳の小学生から59歳の男の人までとハバひろい。圧倒的に多かったのは14歳から17歳までのいわゆるアニメ世代。全体の6割が女性だったところが「ルパン」の特徴といったところ。おもしろいのは、日本PTA全国協議会のあげたTVワースト7のなかに『ルパ入っていたが、学校の先生、母親、父親からも応募が多数あったことである。内容的には、インベーダーやタイムマシンが出てくるSFがいちばん多かった。そのほかでは、盗みのテクニック、各キャラクターに女性がからんだメロドラマ、ルパン四世がいたり、兄弟がいたという肉親がらみのもの。審査委員のひとり、飯岡氏(東京ムービー文芸担当)によると、「選考の基準は、いままでに放映したものに類似したもの、親子兄弟などの血縁関係、盗みのテクニックのないものの3つはいえました」とのこと。さて、その多数の作品について、日本テレビの高橋靖二氏は、「応募の条件は、原稿用紙5枚以内にまとめるということでしたが、シナリオに書いたもの絵コンテに仕上げたもの、大学ノートにびっしりと劇画で描いたものなどもあって、ファンの熱心さに感激しました。なかでもうれしかったのは、佳作のルゥイス・メッさんの作品ですね。英文タイプで日本語訳つきの作品なんです。ルパンもいよいよ国際的になりましたね!!」なお、入選作4編については『ルパン三世』担当ライターの大和屋竺、高階秋成、浦沢義雄、大久保昌一良各氏が脚本化し、放送100回記念月間の9月に放映される。(9月3、10、17、24日)賞金は、入選作には各3万円、佳作には各1万円がそれぞれ渡される。(注・応募されたストーリーは、実際に放映されるときには、少し、変更されるかもしれません)

審査員に感想を求めると、だれもがその奇抜なアイディアに感心する。

Story Responses from the Staff/NTV Production

Seijun Suzuki.

「ひとりで12本も書いた人がいましたね。みんな、 ルパン三世を愛しているのには、感激の一言ですよ」

Atsushi Yamatoya.

「どれもこれも、みんな立派にお話になってるんだよね。たいしたもんだなあ。だから、5000通から4つ選ぶのはたいへんな苦労で、落とすのが残念な作品もたくさんあったよ」

Toru Horikoshi.

「プロのライターは番組の路線からはずれないように書くんですが、さすがフアンは思いもつかない奇抜なアイディアで、ルパンを自由に動かしているのには感心しました。岡田さんのは、お祭り気分がいっぱいで楽しいですね」

Seiji Takahashi.

「杢野さんのは、わかりやすいストーリーの中に情熱が感じられました」

Tetsuo Iijima. 「藤本さんのは、ベトナムという重いテーマがよかったなァー。オチを変えて ハードボイルドにしたらどうだろう」

そして佳作>4編は以下のように決まった。青森県三沢市の小学校教師・ルウイス・メッツさんの英文タイプ日本語訳つきの作品。東京・港区のOL、土田由香利さんの、大学ノート33ページにビッシリ描かれた、劇画作品。千葉の高校生・佐藤高穂さん15の絵コンテ風シナリオ。愛知・東海市の大学生、神野真理さん20のルパンそっくりのロボットが活躍する、コメディ風作品が、それぞれ選ばれた。

Announcement of Combat Jigen (ended up being Fighting Jigen, episode 99)

アニメーションで初の一「ルパン三世」で計画中そく、高橋靖二プロデューレビ)に緊急取材をした。「10月以降の「ルパン三放送ができるかどうか、いうところです。そのために、サンプルオ放送のフィルムを一本、す。この一本は、かならずする予定です」。シナリオは大和屋さんで、サブタイトルは「コンバット次元」(仮題)。演出は吉田しげつぐさんで、なんと監修が大塚康生さん。現在、絵コンテができあがって、完成は7月の予定。

Fan Event

「ルパン三世」のファンのつどいが、天皇誕生日の4月29日、神奈川県川崎市のよみうりランドでおこなわれた。会場のグリーンステージは、朝からの雨にもかかわらず2000名のファンでいっぱい。おまちかねのルパン役山田康雄氏は、原作者・モンキー・パンチの運転するサンドバギーで、タイヤをきしませて、会場に到着。やんやの喝采をうけた。そこヘルパン三世のぬいぐるみも特別参加して、たのしさ倍増。熱気はいやがうえにももりあがった。ケッサクはファンの質問。「山田さんは、奥さんと不二子とどっちが好きですか?」「ルパンはとてもいやらしいんですが、山田さんも、そうなんですか?」最後にサイン入りの色紙をもらって、ファンは大喜びだった。

Staff Annoucement

「ルパン三世」は今年の10月から9クール、3年という長期放映に突入する。3年めに入ったルパンがどういう路線をしくのかは、ルパンファンの気になるところ。高橋靖二プロデューサーは、「ルパンが2年めに入ったときは、《挑戦者シリーズ》と銘うってユニークなゲスト・キャラを作ったんですが、3年めはファン嗜好シリーズ"とでもいうのかな。視聴者から集まった5000通のプロットを類型に分類しましてね、ファンがどんなストーリーを望んでいるか分析したんです。その結果から、正統の盗みの話、女がらみの話、次元もの、五右ェ門ものなどの話を作りました。ですから、ファンの意向がかなり入ったストーリー作りと言えますね」さてそれでは、具体的にどんなストーリーがあるのだろう。飯岡文芸担当は、「ゲストキャラを作ってないので、ひと言では説明しにくいんですが、今回は原作もいくつか使います。」プロットのいくつかをあげてみると、斬鉄剣以上の名刀を作りたいという祖父の希望をかなえてやろうと、清純な女子高校生がセーラー服を脱いで五右ェ門に迫っていく。五右ェ門ファンが見たら、ジェラシーの悲鳴があがりそう!●おなじく五右ェ門が敵に捕まり、全編拷問シーン。五右ェ門は死ぬかもしれない。五右ェ門ファン必見。●ステレオ用に制作しているのは次元が主役。マシンガンの名手とピレネーの山中で決闘しようとするが、次元の愛銃・コンバットがない!脚本は大和屋さん。次元ファ必見!!仮題は「コンバット次元」。忠臣蔵のパロディ。銭形警部が大石内蔵之助の役で大ハリキリ。ルパンが吉良の役。討ち入りは、ルパン逮捕の大団円。●横溝正史ふうの無気味な瀬戸内海の島に平家の財宝が眠る。それを守るバカ殿と不二子のからみ、さて......?怪奇ミステリー。●美しい裸の不二子を寝かせるための黄金のベッドをルパンが盗む話。●シャッターを押すと、そこに写っているのは未来の景色・・・・・・!とにかく、3年めの「ルパン三世」はんでるんでる......!!

Episode Summaries

マダムと泥棒カルテット (episode 92, 7/16)
共同墓地に眠るピッコロ爺さんはルパンに盗みを教えた恩師。その爺さんの遺産がすべて悪徳警察署長に没収されてしまった。怒ったルパンは未亡人のために警察の地下室へトンネルを。

万里の長城インベーダー作戦 (episode 93, 7/23)
ルパンたちが忍びこんだところは北京の「故宮博物館』。めざすは秦の始皇帝愛用の翡翠の麻雀牌。ところがわって入ったのがギャングの張廷。ルパンは万里の長城のアジトへ・・・!

ルパン対スーパーマン (episode 94, 7/30)
ギャング経営のスーパーから、夜な夜な、なぜかスーパーマンが飛びだし銀行をおそう。それを追うマクリード警部に銭形がからみ、はてはルパンとの空中戦!!!というケッサクドタバタ。

「ルパン一世の秘密を求めて」(episode 95, 8/6)
ルパンの奥歯から一世の秘密の地図を盗んだホームズ三世。米英ソの宝を手にして、世界を動かそうというのだ。怒ったルパンを待ちかまえていたのは、ナポレオン・ゼロ、ジェームズ・ドボン!

August

Episode Summaries

マダムとルパンの音楽会 (episode 92, 7/16)
ルパンたちは、かつてルパンが世話になったピッコロの未亡人マダム・ピッコロに、没収された盗品をプレゼントしようと、警察の地下室へしのびこんだ。だが、それを待ちうけていたのは、なんと銭形警部。 ルバンはとらえられ、おりにいれられてしまった。

万里の長城の大泥棒 (episode 93, 7/23)
ルパンのファンだという中国人の娘から、学習液なるふしぎな水をもらったルパン。不二子に、知性と教養が欠けるとバカにされたルパンは、この水に「論語」をいれてのみほすのであったが・・・。 ルパン対スーパーマン (episode 94, 7/30)
スーパーマンが銀行の上空にあらわれ、警備員たちまでがそれに気をとられているすきに、その銀行がおそわれてしまうという事件があいついだ。銭形は、ルパンたちのしわざだときめつけるのだが、とんだぬれぎぬをきせられたルパンは、このスーパーマンの正体をあばく決心をする。

ルパン一世の秘宝を求めて (episode 95, 8/6)
ルパン一世の財産のかくし場所をつきとめた不二子は、ホームズ三世とワトソン三世と手をくみ、この宝を手にいれようとしたが...。

September

Episode Summaries

ルパンのお料理教室 (episode 96, 8/13)
豪華な料理にあきたグルメール男爵は、なんとルパンの脳みそを食べたいといいだした。不二子の裏切りによって、グルメールに捕えられたルパンは・・・。

ルパン一世の秘宝を求めて(episode 97, 8/20)
米英ソ3国の協力のもとで、 ルパン一世の墓が発掘されることになった。そうはさせまいとするルパンと3国のスパイとの腕くらべ。

SICPOの黒い陰謀 (episode 98, 8/27)
トリフォー警視は出世のために、銭形を暗殺し、それをルバンのしわざときめつけ、ルパンを悪者にしたてようとたくらんでいるのであったが.....。

名画強奪ウルトラ列車作 (episode 99, 9/3)
ルパン一世作の名画が、石油成金ナイババに買いとられ、彼の村まではこばれることになった。その列車には、護衛として銭形が乗りこんでいるのだ!

ベルサイユは愛に燃えた (episode 100, 9/10)
オスカルという美青年とくんで、マリーアントワネットの宝冠をぬすみだすことに成功したルパン。だが、いったいこのオスカルとは何者なのであろうか?

本誌7月号ですでに紹介した「ルパン三世」100回記念ストーリー募集の入選作が9月、4週にわたって放映される。どれも厳正な審査を通過した作品だけに、すばらしいものばかり。清純な女子高生が五右ヱ門にせまったり、忠臣蔵のパロディがあったり、はたまたシャレードふうなどんでん返しのアクションありのストーリーが予定されている。乞うご期待!!

October

The Castle of Cagliostro Opens 15 December

お待たせ『ルパン三世』の劇場新作シリーズ第2弾だ。なれなSFタッチの前作と違って、今回は「陰謀めぐらす謎の伯爵」を敵にまわしてのサスペンス・アクション。しかも、このシリーズの生みの親、宮崎駿監督と大塚康生作画監督の名コンビが復活してフアンなら大拍手。ご存じルパンの顔が旧ルパンに戻っているだろう。「ルパンは人生を明るく見ているんですよ。めったに悲しみを見せない。だからこそ心の底に深い悲しみを秘めて、そこから人間のやさしさが出てくるんだな。今回さを見せたいはルパンのやさしですね。そんなイタリア人的な性格をもたせて、だから車もイタリアの大衆車フィアット30(通称トポリーノ)は日本でいえば軽自動車の大きさだけど、ルパンの車はこれに15馬力のエンジンをのせ最高時速30キロという走りっぷりを見せるんだ。それに今回登場するメカは、オートジャイロ、大型リムジン、ルノーICV、水上ランチまでオン・パレード。キャラもみんな若がえった感じで登場。峰不二子の戦闘服姿なんてカッコヨイし、次元はことばすくなく、五右ェ門はニヒル、埼玉県警に左遷されても誇りを失わない銭形警部。みんなルパンと心情的につながってるんだね。「女たらしはルパンのやさしさの証明ですよ。いつも、心の底に怒りがあるから行動のエネルギのエネルギがある。この映画で、ルパンはひとりの少女のために全力で闘います。けれど、ひとりの少女の重さもせおいきれない自分のダメさも知っている。そのくせ未練は山ほどかかえて、しかしそひょうきんれを彼一流の剽軽さにかくして去っていく。去っていかざるを得ない男それン三世なのです」これが宮崎監督の描くルパン像。やっぱり男にも女にも魅力あるんだよなあ。

登場人物と舞台設定

ヨーロッパの小国・カリオストロ公国では何百年もの間、大公家と伯爵家が骨肉の争いを続けていた。しかし、10年前の大火事で大公夫妻が死んで以来、苦味走ったシブ~イ男、摂政のカリオストロ伯爵が絶対的権力を握っていた。そして、大公家に伝わる白い山羊の指輪と、伯爵家に伝わる黒い山羊の指輪をひとつにして権力握の最終的完成をねらっていた。そのためには、大公家に残された最後の娘、クラリスを妻に迎えなければならない・・・だが、クラリスは全然その気がなし。花嫁衣裳の仮縫いのときに逃げ出す始末。この美少女を助けるのがルパン。暗闇に出没する猫背の暗殺団”カゲ"もからんでいよいよ舞台はカリオストロの城〟に移る。さて、ルパンたち、オートジャイ口や対戦車小銃まで持ちこんで何をねらっているのか?

Episode Summaries

名画強奪ウルトラ列車作戦 (episode 100, 9/10)
ルパン一世作の幻の名画が、アラブの石油成金ナイババに買いとられることになった。この絵をとパンと護衛をつとめる銭形との勝負は...?

ベルサイユは愛に燃えた (episode 101, 9/17)
目もくらむような美青年オスカルとくんで、仕事をすることになったルパン。だが、彼は貴族社会の再現をめざす、黒百合党の一員だったのだ。

ルパンはシャネルがお好き? (episode 102, 9/24)
ガン専門の泥棒ジム・弁慶が次元のマグナムにつづいて狙うのは、ルパンのワルサーだ。このシャネルの香りを残し泥棒の正体は...。

狼は天使を見た (episode 103, 10/1)
いまはもう、老いぼれじいさんとなってしまったハリー・ザトラが、ナショナルバンクの大金庫をねらっているというのだが、ルパンには、信じられなかった。

戦士たちの休息 (episode 104, 10/8)
連合軍の総司令官モンゴメリーの軍事顧問だったモーガン。 さすがに彼は、ルパンの挑戦に対して、さまざまな武器を使って、反撃してくるのであった。

Comment by Jun'ichi Iioka

この作品は、たしかに基本路線としてはドロボーが主人公のアクションものなんです。しかしながら、あらゆるジャンルに挑戦して、それをアニメ的にうまく総合化できればと思って、1回1回全力でぶつけていっています。つまり、メロドラマあり、パロディあり、怪奇ものあり、ハードボイルドあり······というように。それが、わり好評なので、このまま突っ走ります。それから、5人のキャラールパン、不二子、五右ヱ門、次元、銭形にそれぞれファンがいて、その登場場面をふやせという投書には悩みます。そこで、1か月半ほどに1本の割で、活躍の場を与えています。

November

Hayao Miyazaki Memorandum

「ルパンはドロボウでしょう。とうぜん、現実(社会、警察など)があってはじめて存在する。現実にしばりつけられた存在ですね。そういった意味で、あくまでこれは地上のおはなし。だからこそ、人間やメカの実在感をだいじにしたいんです。うわべだけのカッコよさを描いたら、深みがありません。なれ合った仲間たちとの関係も、この映画をみると、ああ、そうじゃないんだと気がつくと思う。結局、1時間40分かけて、ルパンの真剣味を描くことになるのかな......

ちょっと気がつかない、シャレた登場のしかた武器、車はあくまで道具」

ただ見てもルパンはおもしろいが、もしきみが、ちょっとでも車やガンに知識があれば、さらにたのしめる。「まあ、着物でいえば、裏にコルといった感じ、あくまでシャレです」(大塚氏)とはいうものの、何万トンというマシーンが出てこなくても楽しませるのだからすごい。「銃や車などは、あくまで人間がつかう道具です。マシーンが主役になっちゃいけない。だからこそ、人間も武器も実在感がなければダメなんです」(宮崎氏)その好い例が次元の銃。これはシモノフ対戦車ライフルといい、第2次大戦中、ロシア軍が使った人間が持つ最大最強の※ライフル。全長2、重さ24㌔。一発射てば、ふつうの人間なら肩の骨がくだけるというしろもの。きたえられた次元ならもてるだろうというギリギリのライフルだ。(土浦の自衛隊に一台だけ実物があり、14~15年前に宮崎氏は、わざわざ見にいっている)不二子の装備もチョッと気づかない。服はコマンド部隊、銃もイスラエル軍のウージー・サブマシンガン(全長46、356の軽快な銃だから、不二子にピッタリ)。手榴弾は、イギリス空艇師団の通称パイナップル。ガスマスクはドイツ軍のものと、ちらっと出るものでもおろそかにしない精神が、この映画をおもしろくしている。

ルパ ンの持ち味が出せる限定された舞台ーーー古城

ル・ブラン原作のアルセーヌ・ルパン、モンキー・パンチのルパン三世もそうだが、旧シリーズも舞台は限られた範囲のものが多く(スピードウェイ、刑務所、金持ちのお城など)そのなかで盗みのアイディアを発揮し、奇想天外な活躍をするというもの。そういった意味では、旧シリーズに近い舞台設定ということがいえそう。■カリオストロ公国岩山と森、点在する牧草地や耕地にかこまれた二つの湖。その湖を結んで存在する城下町、カリオストロの城。古い時計塔とそれをつなぐ、古代ローマの水道路。それに小高い山の谷間にある大公の館これらがこの映画の舞台となる。ストーリー展開そのものが、これらの建造物に限定されるので、設定は綿密におこない、存在感とふんい気のあるものにし、縦横につかいこなす必要がある。(宮崎氏)このように、舞台設定そのものがストーリーの重要なポイントとなっている。■古城摂政・カリオストロ伯爵の居城。古色蒼然としたたたずまいだが、その内部は、豪華なロココ風宮殿のおもむきと、近代的な設備がたくみに混在し、一種、迷宮の様相を持っている。そして、ここを舞台にルパンが大活躍するこの映画のあらすじは......。あらすじーーー大公家につたわる白山羊の指輪と、伯爵家につたわる黒い山羊の指輪をひとつにして、権力を一手ににぎろうとしていたカリオストロ伯爵。そのため、大公の遺児・クラリスを妻にむかえなければならない。だが、一度逃げだしたクラリスは、カリオストロ伯爵につかまり、暗い塔に閉じこめられていた。一方、この公園にのりこんだルパンたち。このふたりが観光にくるわけがない。赤外線、対人レーダー、高圧電流、ガスと、すごい防御をのりこえて、城内に潜入。ここで、召使いとして城内にいた不二子に再会。さらに、クラリスのいる塔に潜入したルパンは、ガバッとひらいた床に落ち、地下牢へ。が、ここでなんとなつかしや、あの銭形とも再会。ふたりで共同し、ここを脱出、そしてそこでみたものは、なんと......。そして、城全体が煙をはき、そのスキに逃げだすルパンとクラリスたち。接近するカリオストロ機。機関砲を撃つ。応戦する銭形。だが、ここで次元の対戦車小銃が火を吹く。そしてクラリスは、会いたい人がいるという。ひとりの老人に会うルパンたち。ここでカリオストロのおそるべき秘密があきらかにされる。

いざ、古城へ各人各様、そのドラマチックな登場のしかた

ルパン・ファミリー”というとらえ方をせず、各人の個性を強く打ち出すのが宮崎演出〟の特徴。だから、それぞれの登場の仕方にも、イキな演出がなされている。ルパン、次元カジノからフロシキに札束をつめ、まきちらしながら逃げてくる=フィアット500に飛び乗るふたり札ビラをまきちらして、すさまじいカーチェイス=タイトル『ルパン三世』=クラリス姫との出会い=カリオストロ公国へ――この間、ギャグあり、仕かけあり、小イキなしぐさありのたたみかけ。はじめて見る人にも、ルパンがどういう人間かよくわかるようになっている。不二子カリオストロの召使いとなった不二子。そこにルパンたちがハデに入り込んでくると、アリヤ、あのバカという表情。このあたり、自立した女ドロボウのプロという感じがよくでている。■五右ヱ門雨のなかを一台の馬車。荷物の上には深アミガサの男が静かに座っている。やがて、「かたじけない」と一礼、カリオストロ公国へ。――そして廃墟にいるルパンと次元のもとへあらわれる。そこでひと言つぶやく。「仕事か......」―五右ヱ門のストイックな面を強調したみごとな演出。

Production Progress Memo

■6月10日 シナリオ(最終稿)あがる。
■6月末 絵コンテ、全体のう1/4があがり、以後、原画と平行して進める。
■7月はじめより、原画にかかる。
■7月23日 動画イン。
■9月中旬 撮影開始。(以後、絵コンテ、原画、動画、撮影を同時平行。スタジオは本格的に戦争状態となる)
■11月2~3日から11月6~7日ごろまで、アフレコ予定。
■11月20日 納品予定。(セル枚数は、宮崎氏、大塚氏のコった演出、作画のため、一コマ、ニコマ撮りなども多く、現時点で5万枚はこえる見込みである)

Comment by Yasuo Otsuka

宮崎さんは、演出家というよりアニメーター。それも非常にうまい原画家ですから、なによりもまず、動かそうという気持ちが画面にあふれでてきます。画面上の表現のスミズミにまで指示を出し、キメのこまかい映画を作っていくのには、いつも驚かされます。おもしろい映画ができると思います。 アニメージュ読者のみなさんも期待して下さい。

Episode Summaries

怪奇鬼首島に女が消えた (episode 105, 10/15)
入らずの森に入ると恐ろしい平家のたたりにあう”このことばを恐れることなく、ルパンと不二子は森の中に入っていった。ところが、あたかもこのことばが真実であるかのごとく、霧の中から白馬かっちゅうにまたがった甲冑姿の平家の落武者が現われ、不二子をさらっていったのだった。

君はネコぼくはカツオ節 (episode 106, 10/22)
ビビアンという売れない踊り子が、ルパンを利用して大スターになろうという妙な考えを起こした。そこで、ある記者クラブのバーに出むいて、ルパンがビビアンのネコを盗んだという情報を流したがまったく記者たちに相手にされない。ルパンの情報といえど、この程度では、まったく記事としての価値がないのだ。だがただひとり子ども新聞の少年記者だけがこの情報に興味をもち、そのネコの種類を尋ねた。そして、子ども新聞ルパンが、エンピツ削リのカスを食べるネコを盗んだという記事がのったのであった。

結婚指輪は呪いの罠 (仮)(episode 107, 10/29)
とうとう不二子は、ルパンとの結婚を決意した。 不二子は夢に見ルパンとの結婚の中で、彼女がすばらしい指輪をはめたからだ。それは44.5カラットもあるホープのダイヤモンド!!! 彼女の頭の中はもうダイヤのことでいっぱいになっていた。 「そうだ、ルパンにたのめば......」

哀しみの斬鉄剣 (episode 106, 11/5)
ところは北海道・霧多布岬。五右ェ門が斬鉄剣で居合抜きの練習をしていた。その風景を意味ありげに見ている少女がいた。少女の名は奈美。そして、少女の去ったあとには、五右ェ門が、切ったはずの鋼鉄の棒が、なくなっていたのである。なぜ!!......。

December (Animage)



いずれおとらぬ熱狂的ルパンファンの4人が、タップリ時間をかけて「カリオスト口の城』の絵コンテを検討した反応と感想。(Four enthusiastic anonymous Lupin fans react to seeing the storyboard of the movie)

最初に歓声があがったのがタイトルバックのルパンと次元がカジノから大金を奪い逃げ出してくるところ。(写真上)

A. ヒザがなくて、足がピューっとのびてピューととんでいくところが特徴。

B. 軽々ととんでいくけど、でも、ちゃんと人間の重量感が残っているんだな。さらに、タイトルバックにつづいて激しいカーチェイス。

C. クルマが半分になろうがバラバラになろうが根性で走る(笑)。

D. もうすこしあとに、もっとすごいカーチェイスがでてくる。ガケ登ったり、林の中につっこんだり、谷底に落ちていったり。

B.. 林の中につっこんで葉っぱだらけになるのは『コナン』で、コナンとジムシィが意地をはってカケッコするシーンをクルマにおきかえた感じ。

A. 激しい動きの中でも、ユーモラスな場面があったり、登場人物の個性を感じさせたりするのが宮崎さんだね。

C. そう、クルマがまるで生きているように動く。

D. あらゆる場面にムダな動きはない。

B. ふつう、一つの場面に何人も登場するとひとりしか動いていない場面が多いけど、ルパンの場合、かならずそれぞれが動き、表情も変わっていく。

C. 個性のぶつかり合いがある感じ。

A. 人間だけじゃなく、このメカの見せ方もいいなあ。

(宮崎氏考案のオートジャイロ登場場面)

C. ルパン、次元の上空や、水面ちかくをとばさせている。

D. このヘリの性能や型を自然な形で見せているんだろうね。

A. 城に着陸してからもいいね。

C. そう、伯爵が降りてくるとき、ハシゴをもってきたり、服を人にぬがさせたり。 これはマニアにしかわからないと思うけど、第一次大戦のドイツ空軍の将校がこんな感じ。

B. 今回は宮崎さん自身登場していないかな?

C. 絵コンテじゃよくわからないけど、旧作ルパンの23話では、家にクルマが落ちてきて、食事中の宮”崎一家"が逃げまどうところがあったね。

B. あそびの部分だけど、あそんでそれがま生きるのが「ルパン」なんだな。

C. 城のカベをよじ登るとき、指をくわえて「風力2、な~んちゃって」 なんて場面あるけど、カベ登るのに関係ないと思うけど、こういう緊張した場面で、ちょっとしたしぐさができる。すごいと思う。

(と、突然、全員大爆笑)

A. これはケッサク。スゴイ!! (笑)

(ルパンが城のカベをよじのぼり、屋根の上で、 小型花火ロケットをあつかうところ。 右下の絵コンテ参照)

B. こういう信じられない動きを本当にしちゃう。 アニメのリアリズムといったものを感じる。

C. 先月号のアニメージュにも書いてあったけど、五右ヱ門の登場もいい。

C. よけいなことはいっさい、 いわない。

D. ルパンはいつも、クルマを運転していて、前からクルマがくると、ワァ~と騒ぐ。このへん。も、宮崎調がよく出ている。

D. 顔だけの芸で見せる。 大塚・宮崎コンビ健在! うれしいな。

A. 敵の軍団”カゲ"がルパンたちを襲うときの無気味さ、スピード感なども見のがせないな。

B. ”カゲ”がルパンたちのクルマに飛びのったとき、ふつう、クルマで振り落とそうとするけど、 クルマをかたむけ、壁にこすりつけて落とす。

C. そのへんも、リアリティあるね。

A. メカや銃などのリアリティとはまたちがったものをね。

C. あはは・・・・・・この宮崎さんのト書き、ケッサク。

(気を失ったクラリス姫を助けたルパンが、気がついたクラリス姫に顔をひっかかれたりするシーン)

B.「顔が悪いとそんする見本」か(笑)。

A. ルパンの困ったような、恥ずかしいような、うれしいような、こういうときのルパンの表情、大塚さんがまたうまい。

B. 絵で語れる強みだね。

C. 「女のにおいだ!!!」 って、ルパンがハンカチかなにかをもっているシーンでも、ワキで次元がクルクルパーなんてやっている。

A. こういうように、一つの場面で登場人物をいっしょに動作させてふんい気を出していくね。

D. 激しい出だしのあと、ルパンと次元がのんびりとカリオストロ公国を走っていくシーンがあるね。

C. ルパンがクルマの上でのんびりと「平和だねぇ~」なんていってる場面ね。(右の写真)

D. こういうところ、だまっていても、ドラマがある。

A. 灰皿がイッパイになっているところも、次元がヘビースモーカーだということがよくわかる。

C. カリオストロ公国に入って、廃墟をたずねたルパンと次元。 ここ、いつもの調子とちがいますね。

A. ルパンが廃墟に入って妙にマジメな顔して、思い入れている。こりゃ、きっと何か伏線になっているな。(そのとおり、さすがルパンファン)

D. ここの表現もいい。この廃墟の中にある取水口に流れ込んでいく水を、枯れ葉一枚がすいこまれていくのであらわしている。—では、最後に総論を聞こうかな。

A. 演出・絵に不自然さがない。

B. うん、無理してそうしている感じではないね。

みごとな〝静と動の演出べつに、ルパンはいつも、ニャハ~とかワギャ~などといっているわけではい。"静"の部分があってこそ"動"の部分が生きるわけだ。

C. 遊びの精神がなんともいえないね。

D. 遊んでいても、それがムダにはなっていないところがスゴイ。

B. 動きの中で表わしていくという、アニメを作る基本的なかまえというようなものが感じられる。

C. おとなの鑑賞にもたえられる作品になりそう。

D. 旧ルパンは、はやすぎたんだろうね。いまなら、わかってくれただろうな

B. 第1話でズラッとでてくるF1なんて、ブームになる何年もまえだったものね。

A. この映画、ルパンファンじゃなくても、十分に楽しめると思うね。

D. それだけじゃなく、見終わったらルパンファンになっているんじゃないかな(笑)。

C. それにしても、絵コンテでこれだけ動いているのもちょっとめずらしいんじゃないかなあ。

A. そうね、実際に映画みたら、もう、絵かってに動いていくって感じだろうね。

B. 原画の人、たいへんだろうなあ。同情しちゃう(笑)。

D. 演出がとっても高度な気がするしね。

C. これだけ描いてくれれば、あとは音楽さえよければ......。

B. 大野雄二さんならだいじょうぶ (笑)。

A. ぼくは旧作ファンだから、声はその当時の人のほうがいいけど......。

B. ぼくは新作もファンだから、いまのままでいいと思う。

C. それにしても、はやくみたくな ってきた(笑)。

A. ちょっとゾクゾクしてきた。

Production Staff Spotlight

Shigetsugu Yoshia

吉田氏は、旧ルパンには演出助手として参加、さらに新ルパンでは演出として、そのウデをふるっている。さあ、どこが宮崎演出の特徴といわれても、みなさんのほうがよくご存じでしょう(笑)。設定がストーリーに密接な関係があるし、メカにはめっぽう強いし...。この映画で宮崎さんらしいところですか?そう、流水口からルパンが城内に入り込んで時計塔歯車に巻き込まれたりしながら、ライオンの口に出てくるところ。クラリスの部屋にしのび込むときに空中大ジャンプするところなど、いかにも宮崎さんらしいなあ、と思いますね。そばにいて感心するのは、絵コンテの段階から人物と背景のトータルのものでの発想ができるということですね。どの演出家にもいえますが、とくに宮崎さんの場合はそれがいえますね。それから、ふつうなら、シリアスな場面があると、さらにシリアスに突っ込んでいきたくなるところを、シリアスギャグシリアスと無理せず変化をつけられるところですね。スピード感、タイミングなどどれをとってもみごとで、動く絵の中で、考えていることを画面にしていくことのできる人、といえますね。

Kazuhide Tomonaga

友永氏は、以前「未来少年年コナン」で外注として参加していた。特徴?基本的にカッコイイ人間は描かないということかな。ルパンにしろコナンにしろふつうの人間。2枚目じゃない人間が必死に何かやる、このあたりが見ている人をひきつけるんだと思いますね。ある条件のなかで、せいいっぱい生きるれは宮崎さん本人がそういう生き方をしていますね。そう、宮崎さんのチェックはきびしいですね。そのカットで何を要求されているかわからないとできません。ほんとに細かい動きや表情を要求されますから。コナンにはテレビという制限があったけど、たとえばカーチェイスのところなど、ふつうくりかえすようなところを、おしみなく動かす。枚数だけの問題じゃなく、コナンより要求されているレベルが高いですね。ぼくも12~3年やってるけど、こんなのはじめて。とにかくがんばります。

Kawauchi Hideo

河内氏は旧ルパンで原画、「未来少年コナン」でも原画として参加している。とにかく、やりごたえがありますね。アニメーションのおもしろさというものがあります。それがとても厳密に計算しつくされているところなど、すばらしいですね。宮崎さんのイメージどおりにやらなきゃいけないわけで、技量がないとついていけない。宮崎さんらしいところですか?クラリス姫に対する思い入れなどは"女は守るべきもの"という宮崎さんの考えがよくでていますね。コナンにおける、ラナに対する思い入れと、ちょっと似ている気がしますね。どんな作品になるって......とにかく、最近じゃめずらしいくらいよく動きます。テレビでは見られない、長編のダイゴ味が楽しめると思います。

"Answering Why Character Faces Have Been Changed" by Yasuo Ōtsuka

「キャラには個性が反映される」

キャラクターというのは、同じキャラクタ-表をみて同じものを描いたつもりでも、描人によって大きな差があります。たんに、うまいヘタのちがいだけではなく、描く人の個性が反映され、さらに、そのとき必要な演技上の解釈が加わりますから、そのままで画面に出すと、担当した原画の人によって顔や体つきがコロコロ変わってしまいます。いくらキャラクター表をよく見て描いても、このちがいはさけることができません。昔は、一本の映画の中でのちがいについて、いまよりずっとおうようでした。東映の「白蛇伝』とか『猿飛佐助』などは、その大半を森康二さんと大工原章さんのふたりで描いていますが、いまみると、同じキャラクターでも、ちょっと問題だなあと思うくらいちがつています。でも、これはあくまで作る側の問題で、一般の人はあまり気にしないでみていたものです。それよりも動き方がおかしいとか、ストーリーの展開がおかしいというほうが問題だったように思います。ところが、テレビがはじまったころから事情が変わってきました。急速な需要の拡大にともなって原画スタッフが大量に必要となり、少々経験不足でもどんどん投入せざるを得ない、そして、作品の質をまもるためにはだれかがそれをカバーしなきゃならないそんなところから作画監督という制度が生まれたのだと思います。もう一つ、あまり動かさなくなってきたので、一枚あたりの絵の完成度を高くしておかないと映画がもたない、というようなこともあったでしょう。テレビ局の人や一般の視聴者も、よし悪しの基準を"動き"よりも〝顔のちがい”に求める傾向があったりして、チェックの重点がしだいに顔の統一"におかれるようになってきました。テレビ作品では、スケジュール的にも”せめて"顔をなおすのがせいイッパイという事情もあって、作画監督という職種で、最低、顔のニュアンスくらいは修正して動画にまわしているわけです。

「同じ人が描いても”顔は変わる」

その統一をとる"作画監督でも、第1話のころと最終話のころでは、ずいぶんちがっ顔を描いているのがふつうです。これは、作監がキャラクターになれて上手になっていくだけではなく、仕事をすすめていくなかで、演技上、必要な表情がつけ加わっていって、キャラクターのハバが広がっていくことから起こるのです。クルマでも、よく新型車が出たばかりのときはクレームが多くて、それをなおしていくうちに仕上がってきて、最良のクルマは最終生産型だといわれますね。あれと同じ作用が働くのです。シリーズがはじまって10話目ごろになると大ていの作監は1話のキャラクターをなおしたいな......と思っているハズです。キャラクターというのは生きものなんですね。ルパンについていうと、いまのボクに旧ルパンと同じに描け、というのは、そういうわけでとてもムリな注文と思ってください。あれはあれでいいところもある、と思いますが、いま見ると恥ずかしいほうが先に立ちます。――どうして、あんな顔描いちゃったんだろうなァ…………ってね。

「コナン+ ルパン÷2」 旧ルパンをやったのは、もう8年も前ですから、時代も変わっていますし、なによりも、ボク自身をふくめてスタッフも変わっています。去年、同じ宮崎演出でコナンをやったでしょう。こんどの映画の原画スタッフにしても、コナンをやった人が多いのです。ですから、ニュアンスとしては、コナン+ルパン:2—という感じ。次元、不二子、銭形は、まああまり変わらずというところでしょうか。もうひとことつけ加えますと、キャラクターというのは映画の内容と緊密に結びついて考えられるべきもので、旧ルパンでも、前半と後半では演出が変わってストーリーの立て方やルパンたちの解釈もちがっています。したがって、キャラクターの表情の扱いも前半と後半ではかなり異なるわけで、こんどのルパンはどちらかといえば後半に近いと思います。理由はカンタン。旧ルパン後半の演出は、高畑さんと宮崎さんがやっているからです。

Fan Comments

「最初は原作に近く、 だんだん大塚ルパンになってきている。 旧作12~13話まではマジメなルパンで、 後半、 ギャグタッチになった。きっとギャグを生かすため、 丸い顔になってきたのだと思う。 映画用はさらにふっくらとしており、 コナン的」 (ファンA)

「旧作前半は、色気たっぷり、おとな向けのキャラだった。16話から急にかわり、髪の毛が短くなり、少し子どもっぽさが出たと思う。映画用は、顔じたいにはさほど変わりはなく、むしろ性格設定が旧作初期のものに近いような気がする」(ファンB)

「旧作第5話で、武道に生き、武道に死ぬというような武人として”ルパンを殺す”といって初登場。いま見ても、おっそろしい顔をしている。もっとも、この顔がよかったというファンもいるから、人それぞれですけど......。旧作7話でルパンと気持ちが通い、男と男の友情が芽ばえている。こういう設定があったので、だんだん丸っこくなってきているのかな。目つきなど、とってもやさしくなっていると思います」(ファンC)

「う~ん。次元だけは変わりませんね。やはり目つきは少しやさしくなっていますけど。旧作のはじめのころにくらべると、笑顔が多くなったぶんだけ表情はやわらかくなっていますけどね。ヒゲなどそのままだけど、やはり少しりんかくが丸くなりましたかね」(ファンD)

「銭形は変わっていますね。旧ルバン第2話銭形の場合、たんに丸くなっただけではありませんね。りんかくはたしかに丸くなっているけど、映画用は表情自体はしまっている。よれよれのぼうしに、だらしのないレインコートといった旧作から、映画用はボルサリーノ(イタリア)のぼうしに、ボタンをきちんとはめ、ベルトをしめているといったマジメな警部風設定になっていますね」(ファンA)

Episode Summaries

バイオレンス・ルパン (仮) (episode 109, 11/12)
不二子と富豪のオールマイティガルパンとタイガーを戦わせ、 どちらが勝つかとかけをした。 そこで、ルパンは心ならずも、このかけに巻きこまれていった。

激写!これが不二子だ (episode 110, 11/19)
マルダ国でカメラが盗まれた。カメラといえどこのカメラは、 未来を垣間見ることのできるカメラなのだ。

インベーダー金庫は開いたか!! (episode 111, 11/26)
世界最大のダイヤモンドがニューヨークにある。このダイヤモンドは1カラット、時価2004万ドル以上で、なんと次元の知人・キャサリンが所有していた。

五右ヱ門 危機一髪 (仮) (episode 112, 12/3)
不覚にも五右エ門がウルフ・ローズに捕えられた。なんと、ウルフローズはルパンを倒して殺し屋ナンバーワンになりたいがために五右エ門を捕えたのだ。 そして、五右エ門からルパンの弱点を聞きだそうとするのだが...。

作戦名は忠臣蔵 (仮) (episode 113, 12/10)

December (The Anime)

ルバンは、メゲるもンかと立ち上がる。すると、向こうに見たような人影があるではないか。あ......ああ、父っつあん!ナナニ、ルパン!いつもは敵味方のおふたりも、このときとばかりにハッシと抱き合い、共同戦線を張って排出口から大脱走!影の軍団をケチらして、転がり込んだのがアッと驚く地下工場。ズラ~ツと並ぶニセ札印刷機!こんなモン焼いちまえ、とルパンと銭形は工場に火をつけた。カリオストロの城は、たちまち火のウズ、メッチャクチャ!ルパンとクラリスは、次元、五右エ門と合流、オートジャイロで空を飛び、フィアット500で地上をブウォーツ、カリオストロ軍団と陸に空にと大乱戦!しかし、ルパンたちの活躍もむなしく、またまたクラリスを奪い返されてしまう!!カリオストロの城下に、教会のウェディング・ベルが鳴り響く。とうとうクラリスは、カリオストロ伯爵と結婚させられてしまうのか......。そうはさせるかと、ルパンは大司教になりすまし、愛の誓いを宣言する二人の前に立った!―白い山羊の紋章と、黒い山羊の紋章が合わされるそのとき!.......ついに、四百年もの間、ねむり続けていたカリオストロ家に伝わる秘密が明らかにされる!ルパンの、カリオストロ伯爵の、そして不二子の、真の狙いはコレだったのか!こうなりゃあ、十年前の大火事ってヤツも、カリオストロ伯爵のしわざに違いない!ルパン対カリオストロ伯爵、最後の闘いが開始された!!

さっそうと若々しくなって登場するルパン!

Comment by Hayao Miyazaki

劇場公開用「ルパン三世」の第2作目ですが、ルバンの原点に戻ってみました。つまり、昔のルパン、テレビシリーズが最初に始まったころのルパンのイメージに近い作品になります。レギュラーの次元、五右エ門、不二子らもテレビのようにルパン・ファミリーとして出てくるのではなくひとりひとりの人間性を、十分に描いてみたいと思うています。銭形警部も、ただドジばかりやっているのではなく、本当は優秀な警官なはずです。ですから、初めて「ルパン」を見る人にも分かるように、キャラクターの個性を出してゆきます。そのため、それぞれの登場のしかたもドラマチックに工夫しました。物語の舞台が、城とその周辺に限られていることも旧シリーズに似ています。限られた範囲の舞台でこそルパンの本来の持ち味と面白さが出せるのではないでしょうか。それから、いつもカッコよく暴れ回るルパンの内にある、日本人的な心も見てもらいたいと思います。

Comment by Yasuo Ōtsuka

「ルパン」には、いつもたくさんの武器やメカが登場します。この映画では、ルパンの車フィアット500や次元のシーモノフ対戦車ライフルをはじめ登場する車や武器すべてを、本物らしく描きました。不二子のコマンド・スタイルでも、服の模様や銃、手榴弾、ガスマスクなど、ちょっと出てくるものにまで実物の感じを出すように、気を使っています。実物を徹底的に研究して描きましたので、形、大きさ、動き方などは、本物そのままです。また、ルパンの顔も、今のテレビシリーズとはちょつと違っています。旧ルパンに近くなっていますが、それとも違う、新しいルパンのイメージを作り上げてみました。さっそうと若返ったルパンです。

Comment by Tetsuo Katayama

8年前に「ルパン」の旧シリーズを作った、演出の宮崎駿さん、作画の大塚康生さんの名コンビが復活して、この劇場用の新作「カリオストロの城」を作りました。つねにていねいなアニメ作りで定評のあるコンビのことですから、この作品も、素晴らしい出来ばえになることは、間違いありません。ルパンのイメージも若々しくなり、テレビシリーズではあまり描けない主人公たちの人間像を描き出すことを基本にしています。が、ルパンならではの派手なアクション、古城のたくさんの仕掛けなど、小さい子供から大人まで、みんなが楽しめる作品にしたいと思います。

Episode Summaries

バイオレンス・ルパン (episode 109, 11/12)
不二子はある富豪に賭をいどんだ。富豪が雇っている殺し屋とルパンを決闘させ、ルパンが勝ったときは富豪が不二子に五千カラットのダイヤの原石をおくり、逆の場合は不二子が富豪の二号になるというのである。何も知らないルパンは、殺し屋から電話で指定された場所に到着。岩蔭からヌッと現われた殺し屋はいきなり拳銃をひっこ抜きぶっ放した。アッと叫びながらもんどりうつルパン。額のド真ン中から鮮血が吹き出した。

未来を垣間見るカメラ (episode 110, 11/19)
マルダ国警視庁は上へ下への大騒ぎになった。警視庁が、容疑者の取調べをかんたんにと苦労して開発した過去を写すカメラ"(実際は製作上のミスで"未来を写すカメラ”になってしまった)が盗まれてしまったのだ。犯人はルパンというガッペルト署長。銭形警部は競技場で次元とルパンをみつけ2人を逮捕し、くすぐりロボット"の拷門にかけるのだが・・・。

インベーター金庫は開いたか!! (episode 111, 11/26)
ところはニューヨークの裏街。道端のスタンドでハンバーグをパクつくルパンと次元の姿を見つけた銭形警部は必死に2人を追いつめる。あわれご用というとき、2人の前に真白なリンカーン・コンチネンタルのリムジンが滑るように現われる。助けたのは、次元のニューヨーク時代のガールフレンド、キャサリンだった。プロードウェイのわんさガールだった彼女も、今は億万長者の夫人におさまっていた。そしてキャサリンは2人に自分のもっている世界最大のダイヤを盗んでみないかと挑戦してきたのだ。

五ェ門 危機一髪 (episode 112, 12/3)
東ヨーロッパの山間の温泉場。のんびり湯につかってくつろぐ五エ門。突然温煙の中にタオル1枚で裸身をかくした女が現われた。思わず眼をそらし後退する五エ門。そのスキをついて女は五エ門の首筋にバラのダーツを突キ刺した。ガクッと湯の中に崩れ落ちる五エ門。グッタリとなって湯の中に浮かんでいる五エ門の髪をつかんでひきあげながら女は「今度はルパンの番」と不敵に笑うのだった。

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Coverage of "Urusei Yatsura" in 1982 (Animage, The Anime, My Anime, Animedia)

This post will consist of the coverage in various magazines for "Urusei Yatsura" and preliminary coverage for the first movie, ...