September 1978
This issue came out prior to the first episode, "Departure Ballad", airing. This section includes a brief introduction to the story, a look at our main cast and their voices, and a brief chat with Leiji Matsumoto, series creator. It also includes info on the main staff for the series, including Nobutaka Nishizawa (Chief Director), Kenji Yokoyama, Youichi Kominato (Planning), Hiroyasu Yamaura (Screenplay for 44 episodes), Mataji Urata (Art Director), Shingo Araki (Character Design)
銀河超特急999号は誰もが不滅の機械化人間になれる惑星に停車するという星野鉄郎は謎の美少女メーテルとともに不滅の機械の体永遠の生命を求めて今果てしない宇宙の旅に出発した銀河超特急999号は鉄郎の夢と希望の惑星に向かってひたすら宇宙を掴んでいく鉄郎が途中の惑星で見るものは......? そしてその夢と希望の惑星で摑むものは......?
西暦2×××年……そのころ、地球の宇宙交通機関は飛躍的な発達を遂げていた。 宇宙鉄道網に銀河の果てまで広がり、宇宙列車が毎日のように、地球と惑星の間を往復していた 地上には、超近代的な都市、メガロポリスが出現し、人々は暑さ寒さを知らない快適な暮らしをしていた。だが、そのメガロポリスに住めるのは、機械の体を買えた金持ちだけであった。貧しい人々は、メガロポリスから追いたてられ、悲惨な暮らしを送っていたのだ。そんなある日、噂が流れた。銀河超特急999にのれば、ただで機械人間になれる かくして、大勢の貧しい人々が、その出発駅のあるメガロポリスへと向かった。 そして、ここにも、メガロポリスへ向かう一組の母と子がいた......。「かあさん、もう一息だよでも、鉄郎、メガロポリスへついても、すぐのれるわけじゃないのよ......」と、そのとき、遠くに蹄の音が聞こえた。「鉄郎、逃げるのよ!!」「え?」「人間狩りよ!機械人間のなかには私たち貧しい間を殺してたのしんでいる者がいるのよ!!」 猛然と機械馬を走らせてきたのは、機械伯爵とその部下たちだった。彼らは、必死に逃げる加奈江と鉄郎を見つけると、レーザー銃の引金を引いた。そして、ついに、その光芒の一本が加奈江を貫いた。加奈江は息とだえた。鉄郎は身を翻えすと、歩きだしていた。その直後、ドドッと機械伯爵たちが走り寄った。「見つけたぞ!」ハッと鉄郎は立ちどまった。懸命にこらえた。「チキショツ……おぼえてろ、いまに必ず、 かあさんの仇をうつてやる!必ず!!」怒りの涙が鉄郎の頬を伝わった。吹雪は一段と激しくなった 鉄郎はあえぎながらもがくように進んだが、ついに倒れてしまった。睡魔が襲った。鉄郎の体は、見る見るうちに、雪のなかに埋まっていった。「気がついた、鉄郎?」ベッドのなかで鉄郎は、暖炉に燃える薪を見た。その前で、美しい女がスープを暖めていた。「………... どうして、ボクの名まえを・・・・・・ きみは誰だ?」「わたしの名まえはメーテル」メーテルは、彼女を一緒に連れていってくれるのなら「999」のバスをあげようといった。鉄郎はバスを手にした。 その手は興奮にふるえていた。と、そのとき、陽気な笑いと歌声が集音機から聞こえてきた。メーテルの家の近くに、あの機械伯爵の家があつたのだ。鉄郎は、ベッドを飛びおりると壁にかけてあった銃をとった。鉄郎は部屋を飛びだした。機械伯爵の屋敷に、突如、鉄郎が飛び込んだ。「よ、よくもかあさんを殺したな!死ね!!」
(Summary: Always planned to be a TV series instead of a movie. Matsumoto loves Night on the Galactic Railroad by Kenji Miyazawa, who would have thought? He wants to create a story that combines Tetsuro, Harlock, and Emeraldas. This would happen not even one year later with the release of the first film.)
Animage:「宇宙戦艦ヤマト」「惑星ロボダンガードA」「宇宙海賊キャプテンハーロック」「スタージンガー」につづいて、こんどの「銀河鉄道999」で、先生の原作によるアニメーションは5作目なわけですが、自分の作品がアニメ化される場合、もっとも期待されることはなんですか?
Matsumoto:「動かないマンガが動いてくれる"という、そのこと自体が期待ですね」
Animage: なるほど。けど、マンガがアニメ化される場合、ストーリーや絵に多少の差がでてくることが多いんですが、その点はどう考えていらっしゃいますか?
Matsumoto: 「それはしかたのないことだと思うんです。でも、できるかぎり、原作のイメージをそこなわないでほしいと思っていますね」
Animage: 「銀河鉄道999」のイメージで、ここだけはゆずれないという部分は!?
Matsumoto:「最初から、ただのSFものにするつもりはなく、メルヘンの感じをプラスしてあるので、そのイメージはそこなわないでほしいですね」
Animage: 「メルヘンの部分というと?」
Matsumoto:「たとえば、あの機関車ですね。あれは、ぜつたい、いまの新幹線であつてはいけないんですよ。想いだしてみると、私がまだ東京へでてきたばかりのころというと、SLが主力でしてね。私は、九州から東京へくるのにSLで連れられてきたみたいな部分があるんです。だから、いまだに、夜汽車で旅をするといった感じがすきだし、そんなイメージを作品にも反映させていますね」
Animage: 「すると「999」はかなり以前から企画されていたんですか?」
Matsumoto:「そうです。「ハーロック』よりもかなりまえですね......」
Animage: アニメ化も考えていらっしゃったんですか?
Matsumoto:「いや、もともと、「999」はアニメの企画だったんですよ。時期的にいうと「ヤマト』とおなじころかな」
Animage: ところで、銀河鉄道というと、宮沢賢治の「銀河「鉄道の夜」を想いだすんですが・・・・・・
Matsumoto:「ええ、私は、『銀河鉄道の夜』は大好きな作品です。だから、それにSFを入れて、近代的なイメージにしてみたつもりはありますね」
Animage: 主人公の星野鉄郎くんにはモデルがいるんですか?
Matsumoto:「特にいませんが、一口にいうと、どこにでもいる男の子を考えてみたんです。ワンパクでヤンチャで、そのくせ少しおセンチな……………。 自分自身の子どものときを思い返して、こういったときはこうしたとか、ああしたとか考えたり、近所で遊んでいる子どもからヒントを得たりしましてね。つまり、子どもの集約みたいなものなんです」
Animage: 彼のことを考えるメーテルの役割というのは何なんですか!?
Matsumoto: 「メーテルは鉄郎の影ですね。鉄郎の影として鉄郎を導いていく女ですね。鉄郎のおかあさんにも、鉄郎自身にも密接な関係があるし……………あつ、これ以上、いうと最後の部分がバレてしまうからダメです(笑)」
Animage: ところで、マンガの「銀河鉄道999」にはエメラルダスがからんだりしているんですが、いま、先生が描いてらっしゃる「ハーロック」や「エメラルダス」と関連して るんですか?
Matsumoto:「ええ、ほんとうは、3つの作品をからめてみたいんです。ま、いまは、3つとも掲載誌がちがうんで、ちょっとムリなんですが、一度、鉄郎とエメラルダスとハーロックを一堂に会させてみたいですがね(笑)」
Animage: 最後に「アニメージュ」の読者へ一言。
Matsumoto:「アニメを見るときは、小さなアラさがしはやめて、全体で評価してほしいということですね」
October 1978
This issue covers characters, story, and setting, and summaries from the first two episodes. Also included are question and answer sessions with Kenji Yokoyama (Planning) and comments from Keisuke Fujikawa and Tomonori Kogawa. There are seven "points" in the this highlight section.
機械の体をくれる星は何処に!?
メーテルテルのさすらいの旅が始まった!!!
かつて、これほどアニメ化が望まれていた作品も少なかったのではないだろうか? 編集部には「999」についての問いあわせが、毎日のようにある。ここに前号にひきつづき、詳報第 2弾をレポートしてみた!!!
POINT 1: 大型SFのあとはメルヘンSFの時代がくる!!!
POINT 2: 親と子が対話できるような作品にしたい!!
POINT 3: これが1、2話のできあがったばかりのフィルムの一部だ!!
POINT 4: これが999号の内部設定だ!!
POINT 5: 1、2話のゲスト・キャラたち
「銀河鉄道999」の製作には膨大な量の設定資料が用意された。なかでも、スタッフがいちばん神経をとがらせて、何枚も何枚も描いたのが、この作品のほんとうの主人公「999号」の設定資料だった。ここに紹介するのはその一部である。先月号でもお伝えしたように、機関車には人一倍愛着の強い松本先生。 「機関車の設定だけはどうしてもやらしてくれ」というわけで、 設定資料のほとんどのラフを自ら描きあげた。 で、 こんどはそれをスタッフが清書して完成。まんが連載でモーレツに忙しい先生のスケジュールをぬってのたいへんな作業、 ごくろうさまでした。
POINT 6: 松本先生舞台設定
機関車のつぎにだいじだった設定は "メガロポリス"である。それは西暦2×××年を象徴するものであるし、また、999の出発駅ということで、この作品自体の出発点でもあるからだ。左が全体で、右のは、その内部設定である。
POINT 7: シナリオの藤川氏と作画監督の湖川氏からのメッセージ
Keisuke Fujikawa (Screenplay for Episode 2):
じつをいうと、ぼくは以前からこの作品をテレビ化したらおもしろいだろうな、と考えていたんです。というのも、すごくファンタジックな面を備えている反面、モーレツにブラックの要素もふくんでいる。ただ、情感だけで流れている作品ではないんですよね。 ま、そこにすごくひかれる部分があつたんです。年齢層的には、はば広、小学生から高校生あたりまでをねらってみたいですね。
Tomonori Kogawa (Animation Director):
ぼくは、映画のヤマトをやってたんだけど、それが終わったら、とにかくゆっくり休もうと考えていた。なにしろ、モーレツに忙しい毎日でしたからね。そんなある日、突然「999」の話が来たんです。で、原作を読んでみると、そのメルヘン調がすごくおもしろい。 長いあいだアクションをやつていたものにはすごく新鮮に感じられたんですね。即座にOKしてしまいました。
(Summary: 999 anime planned in late 1977, before SF Saiyuki Starzinger began. For context, Starzinger began 2 April 1978. Initally cautious about releasing in the prior season but went ahead after success of sci-fi hits "Star Wars" and "Close Encounters of the Third Kind". At date of interview (20 August) scenarios have been made for 13 episodes, the first two will be filmed beginning of September. Planned to air for a minimum of one year.
Animage: 企画がもちあがった時期はいつごろだったんですか?
Yokoyama:「たしか、去年の暮れで『スタージンガー』よりも以前だったと思いますね」
Animage: 前期的にずれたのは、なにか理由あったんですか!?
Yokoyama:「メルヘンものなので、ちょつと危険性があるんじゃないかと考えたんです。それが、今年になって、『スターウォーズ』『未知との遭遇』など大型SFが大ヒットしで、大がかりなSFのたでしょ。あとにやるんだったら、これはかなりいけるんじゃないかと判断 したんです。秋という季節的なものにもめぐまれていますしね」
Animage: (8月20日)の進行状況 クール契約、つまり、2本なんではどうなんですか?
Yokoyama:「シナリオは一応、1クール13本分ができています。撮影のほうは9月のあたまに2話分完成の予定です」
Animage: 放送予定は何回ですか?
Yokoyama:「契約はたいがいの場合、2クール契約、つまり、2本なんです。けど、この作品にかぎっていえば、ぼくは、最低1年間はやらなくちゃいけないと考えています。というのも、この作品はとっつきが派手じゃないので、しつこくやっていかないと、作品のほんとうのおもしろさがなかなか伝わらないと思うんです。ぜひ、長く、やりたいですね」
Animage: 作品を通しての主張はどういうことですか?
Yokoyama:「テーマは松本先生の原作どおりです。ただ、ぼくとしては、テレビを見おわったあと、親と子が対話できるような作品にできたらな、と考えています」
出発のバラード (Departure Ballad) (9/14)
銀河超特急999にのれば、ただで機械人間うわさを信じた鉄郎は、なぞの美になれる少女メーテルと出会い、宇宙へと旅立つ。
火星の赤い風 (The Red Winds of Mars) (9/21)
火星についた鉄郎を待っていたのは、鉄郎のパスを手に入れて銀河超特急999にのりこもうとしていたゼロニモだった。鉄郎はガン・ベルトに手をかけた。が、それより一瞬早く、ゼロニモの銃が火を吹いた......。
November 1978
This issue has another dedicated GE999 feature, and has a whole boat-load of people involved in it too. A short question-and-answer with Kenji Yokoyama, Nobutaka Nishizawa, Mataji Urata, as well as comments from the main voice cast of Masako Nozawa (Tetsuro), Masako Ikeda (Maetel), Kaneta Kimotsuki (Conductor). It also features info on the other various trains (which would be plastered in model kit form all over the magazines later!) and summaries of the epsiodes that aired in October and November.
111号:
運行表 地球とエメラルダス間をむすぶ銀河中央線 (距離9万光年)を走る。 時速700宇宙km。
222号
運行表/オリオンと大王星間をむすぶオリオン大王星線 (距離2600光年)を走る。 時速400宇宙km。
333号
運行表/地球からベガを通り、 カテラに向うベガカテラ線 (距離宇宙80光年) を走る。 時速800 宇宙km。
444号 運行表/カテラ環状線 (距離 165光年)を走る。 時速600宇宙km。
555号
運行表/オリオン外まわり大環状線(距離 460万光年)を走る。時速1000宇宙 km。
666号
運行表/ニケから小大マゼランをむすぶマゼラン連絡線 (距離40万光年)を走る。 時速 450宇宙km
777号
運行表/オリオンから地球をへて現在路線を延長中の未終点線を走る。時速 900宇宙km。
888号 運行表/トレーダーからエメラルダス、 アルデバランをむすぶアルデバラン環状線 (距離 350万光年)を走る。 時速500宇宙km。
999号
運行表 / 地球とアンドロメダ間を走る。上りはプレアデスを通る大銀系河本線。下りはアルカディアを経由するアンドロメダ本線を走る。 距離往復500万光年。 時速3000宇宙km。
(Summary: 999 is almost opposite of Pinocchio. Pinocchio wants to become human, Tetsuro wants to become machine. Also discussed is the incorporation of various different colors, most of the time depending on the setting and the planet.)
Animage:「999」のテーマとメルへンSFという新ジャンルの作品8のとらえ方は?
Yokoyama: 999 のもつテーマやメルヘンは、ともに人の心にある世界のことなんです。 汽車が宇宙に旅立つからメルヘンの世界でもりますがね。 テーマは、 ピノキオの逆でいくものですから、人間にあこがれたピノキオと機械人間に のあたたかい感じのする作品にしあこがれる人間の違いだけです。永遠の生命を求めて旅するなかで、人間はなぜ生きるのか、人間の幸福とは何かなど、人間が生きていくことにおいて、つねに持ちつづけていく心を追求していきます。フレームはSFですが、それにとらわれず、宇宙空間に煙をなびかせるなどの荒唐無稽さをどんどんだしていきたい。 SF的に分析したり、理論ずくめで作品を作りたくないのです。 原作の味をこわさぬようファンタジーの世界で、まとめていきたいんです」
Animage: メルヘン的な部分の表現方法をいくつかあげていただけますか。
Yokoyama: 「音楽の面でストリングス(弦)を中心に大編成を組み、メルヘンの部分や各場面の情感を、 空間で何重にもなって響く弦とスキヤットで表現させました。 それが、どの程度まで表現できてるかはベつとして......。全体の作りとしては、 手づくりのあたたかい感じのする作品にしたい。 最初は実写をはめこんだりとか考えましたが、いまの基本的ワクの中で最大限それを試みることにしました。 メインスタッフが同じ年代で、SLの最後も見届けているし、部品がどうの、 駅弁はこうだったと、いいたいほうだいいって楽しくやっています」
Animage: 演出の面で「999」の持つているメルヘン性をどう特色づけますか。
Nishizawa: 作品のイメージが動ではなくなので、視聴者の人々が舞台劇を見ている感じになるよう画面を構成しました。 メーテルと鉄郎の会話でも、たがいに向き合っロングショットで見せる。 その間、カットはまったく変えません。ですから、作品全体のカット数も少なく、 一本でカットくらい。ふつう30~400カットですから、いかに少ないかがわかるでしょう。その少なさがゆっくりとした静けさ、叙情性を出せるわけです。また、メーテルの持つ神秘性を出すために、 プレス)をとる。ことば数をおさえ感情的にならぬよう語らせ、音楽を加えたところで、 ファンタジー性をうち出させようと努力しています。 舞台劇の静がメルヘンになるよう」
Animage: 最後に、 背景美術におけるメルヘン・ファンタジーの世界の演出方法を.
Urata:「メルヘン的要素を色で表現するにも、ストーリー抜きには考えられないので、イメージをこわさぬよう色カラーの個性を豊かに作っていくことでしょうか。 作品は宇宙が舞台なので、いくらでもイメージをふくらませられます。空が赤でも、グリーン、 エメラルドであってもよい。 世界全体がブルーでもよいわけですから。 第1話での前半をスクリーン、 ハダの色、コスチュームなどをオリーブグリーンでまとめましたが、これからは日本画的要素、 油絵タッチなどの手法を取り入れてイメージを表現していきたい。 いままでの作品のように、つねに地球上のものを基準にして描くというワクがないので、多くのみせる要素がつかえます。 1カット1カットごとの背景に注目してくださいね」
(Summary: A discussion between the three main voice actors about getting into their new roles. For example, Kimotsuki thought the Conductor would speak in a more robotic tone, but thought it would be better to do a more cheerful voice. Other things such as voice tempo and emotional connections to the character are brought up.)
Animage: まず、 アフレコを終えてみての感想を......
Nozawa: 「ごく単純にいえば絵とともに内容が充実していますね。 未知のものへのあこがれをいだかせるメルヘン的な絵です。 アフレコをしていて、なんというか吸いこまれるような楽しさがありますね」
Ikeda:「とっても美しく、情緒ある絵ですね。統一された色で構成されていてすてき。 とくに1話目で、鉄郎と母親が雪の中で上空を走る特急をみあげるシーンがあるでしょ。上を走って行く列車がとても印象的でした」
Kimotsuki:「すばらしい画面ですね。ぼくの車掌さん役はまだ出番が少なく、性格的にもどうやってよいか迷っています。原作を読んで、コンピューターのようなセリフかなと思ってみたり、明るい車掌のほうがよいのではと思ったりして。回を追うごとにコミカルな部分が多くなりそうで、期待しています」
Nozawa:「そうね、車掌さんはホッとする明るい部分じゃないかしら」
Animage: 車掌さんの性格の話がでてきましたが、鉄郎とメーテルについてはいかがですか?
Nozawa:「鉄郎は第三者の立場でみるとナイーブな少年ですね。 私の声が太いので、孤児で旅に出るという設定であっても、なるべく明るさを出すようやっています。 元気すぎるかもしれませんが」
Ikeda:「メーテルは人間でなく、謎につつまれた人物なので、しゃべり方や感情をなまぐさく出してはいけません。ゆっくりした話し方なので起伏がなく、 一本調子になりやすい。その点に気をつけています。 鉄郎に対して母親的やさしさだとか恋人的な役割りでの感情の出し方がむずかしいですね。ただ、まだメーテルと自分の呼吸があわず、苦労しています」
Kimotsuki:「ゆっくり話すというのは、早口でしゃべるよりむずかしいのですよ。内面的にきちっとしたものがうまってないと、ことばがバラバラになってしまうのです。 話はそれますが、FMで城達也さんの『ジェットストリーム』という番組がありますが、あのようなスロテンポで語れるかたは、ほかにいないですね。 城さんには多くの人が一目おいています」
Ikeda:「テンポがゆっくりだと、へたをするとことばが死ぬ可能性や、まのびしてしまうことも出てくるんです。どうやってメーテルの神秘性を出していくか、これからも考えながらやっていかなくては」
Animage: 声の出し方、感情の作りなどの面で「999」は特にむずかしいのですか?
Kimotsuki:「いや、そうでもないですよ。 メーテルの場合は特別だと思う。他のSF作品とくらべても演技の組み立て方、ことばの質などは変わりません。声の出し方などは、画面から与えられる状況・役柄・テンポ感情の違いで無意識的に変わってでてくるものです。それが、声優の演技です。」
Nozawa: 「声優である前に俳優ですからもたされた役の感情の起伏のつながりや、変えをスムーズにもっていくのが役者です。 アニメの場合、特に「999」では心理感情のもち上げ方 テンポが私たちの心とびったりマッチしていて、すばらしいというのが印象です」
Animage: そうですか。 最後に「999」について一言ずつお願いします。
Nozawa:「いまの人たちは、夢を追時間がないので、もっと夢を追う時間をもつてほしい。 情的で、毎日のアフレコが楽しみです」
Ikeda:「メーテルを早く自分のものにしたい。 それと、この作品だけはテレビの前にすわって、 ゆつくりをおちつけて見てください」
Kimotsuki: 「はじめての鉄道 にそって、みなさんにすかれるよう乗っていきたいです。 最終駅のないことを望みます。 永遠にね・・・。」
December 1978
This issue was the last of the year, and yet again featured GE999 in a big way. This one featured a roundtable session in a "Question & Question" format, where one person would ask a question and would respond in kind with a question. Pretty fun! Also featured are comments from Leiji Matsumoto, Hiroyasu Yamaura, and Nozomi Aoki. It also includes a very cool breakdown of the production of an episode, complete with dates and other info used in the making of an episode. Also included are summaries for the episodes aired in November and December.
Roundtable session featuring:
Kenji Yokoyama (Toei)
Koshiro Hayami (senior at Meguro High School, Tokyo)
Hitomi Takada (1st-year student at Joshisei Gakuin University)
(Summary: A lot to go over here! Yokoyama says the anime will follow the original manga until they leave the solar system. It had already gone out of order by episode seven, for what it's worth. They also have a great discussion on Maetel's voice. Takada says he wanted Rihoko Yoshida, who portrayed her on the radio prior to the TV series airing. Yoshida would play two character-of-the-day roles later in the series. Yokoyama says that Leiji Matsumoto's first was Reiko Tajima, but didn't work due to scheduling conflicts. GE999 fans will know her as the usual voice for Emeraldas. When they settled on Masako Ikeda, Yokoyama asked her to use a similar voice that she had used for dubbing Audrey Hepuburn in 1957's "Love in the Afternoon".)
Question 1: [[メルヘン・ファンタジィ』という新しい分野をきみたちはどう思うんだろう?」
Yokoyama: 「SFでもメルヘンでもない新しいスタイルのアニメをめざしてみたんだけど、どうでした?」
Takada:「二番煎じの多い秋の新番組のなかではめだってましたね」
Yokoyama:「速水くんは?!?!?」
Hayami:「ええ・・・また、東映は松本零士か (笑) と 冗談で思っていたんだけど、これは、本物の零士作品になっていたんでびっくりした」
Question 2:「松本さんの原作とは少しちがう部分があるけど、これでいいのかな!!」
Yokoyama:「けど、少しちがう部分もあるでしょう」
Hayami:「第3話で、ガラスのクレアが10分たらずで終わってしまったのはつらかった」
Takada:「でも、999号のこまかいメカは原作よりいいみたいですね」
Yokoyama:「あれは苦労しているんです。というのも、原作では動いていない999号を動かさなきゃいけないというんで、おもちゃのC62号を買ってきたんです。で、それを動かして車輪とピストンの関係なんか一生懸命見ながら描いている。機関車を描く人は、1日1枚くらいで能率悪くて・・・(笑)」
Hayami:「メーテルの顔が毎回ちがうようで、ちょっと気になるんですが…......
Yokoyama:「松本さんの場合も『これがメーテルだ』という顔になってくるのが、単行本でいえば3巻くらいからなんです。アニメの場合、5話まで待ってください」
Takada:「ストーリーは原作どおりに進行するんですか?」
Yokoyama:「太陽系を脱出するまでは、一応、原作にそっていって、そのあとは話をえらんでやっていくつもりです。ところで、原作を読んでいたとき、2人とも声優さんはこんな人がいいだろうと考えていたと思うんだけど、実際アニメ化されて絵との異和感はありませんでしたか?」
Takada:「メーテルはラジオでやった吉田理保子さんにやってもらいたかったですね」
Yokoyama:「なるほどね。 松本さんは田島令子にやってもらいたがってたんだけど、スケジュールのつごうでダメになったんです。ぼくは松坂慶子がいいな (笑)と考えてたんだけど、ある事情でダメになりましてね(笑)。で、 池田昌子にしたんだけど、ぼくは彼女にひとつだけ注文をだしたんです。彼女の吹きかえのあたり役はオードー・ヘプバーンなんだけど、彼女が昔やった『昼さがりの情事』のときの声でやってくれ、と。そしたら彼女いいました。『いったい、何年前の声だと思ってるんです』って(笑)」
Yokoyama:「音楽はどうでした?」
Hayami:「スキャットがすごくよかったですね」
Yokoyama:「おとなのスキャットは〝くさみ”がでるんですよね。だから、子どもにしてみた。ぼくとしては、エンジェルの声がほしかったんです
Takada:「レコードにオープニングの汽笛が入っていないのはどうしてなんですか?」
Yokoyama:「レコードの場合、わざと前奏を長くしてみたので、ポーだけじゃもたなかったんです」
Question 3: 「オーケストラとスキャットを多用してみたんだけど気づいてもらえたかな!?」
Question 4:「メーテル、ヒントはだし影の声の正体、んりなだけど」
Yokoyama: 「3人の正体は?!?!」
Takada:「ええっ? まだ、そこまで考えてません。まだ、鉄郎とメーテルの心のかかわりあいのほうがすごく気になるし…………..」
Yokoyama:「速水くんは?」
Hayami:「2話でなんとなくわかるような気もするけど、やっぱり、ぜんぜんわかんないな」
Yokoyama: 「松本さんはライフワークだといっているから、永久にわかんないかもしれませんね(笑)」
Question 5: 車掌さんの正体はクロ ーン人間だった?!?!?! 車掌さんの "走り"のセルを何枚もあ それを重ねて背景と組みあわせると、左のような〝遊び"もできる 車掌さんはクローン人間になっちゃうわけだけど、これはあくまでもセルを写真撮影するときのトリックです。
Hiroyasu Yamaura (Screenplay): [哲学的なところがウケたのかな!?!?!!!」
「いままでの子どもアニメというと、主人公は必ず、カッコイイヒーローだった。が、今度の鉄郎はちっともカッコよくない。しかし、人間の感情をもっているんです。だから、彼は考える。大げさにいえば哲学的に。そのものめずらしさが高視聴率につながったんじゃないかな」
Leiji Matsumoto (Original Story)
「ぼくはこのアニメをすごく気に入っている」
「まんがを見なれた人には多少、異和感があるかもしれないけど、ぼく自身は、今度のアニメ化をすごく気に入ってますね。第一話の試写を見たあと、ぼくがだした注文は「鉄郎の首をもう少し短くしたほうがいいかな」(笑)くらいだったから。それと、ストーリーの順番がかわるのは季節感のこともあるからしかたがないですね。ただ、2話分を!話にちぢめられたりするのは困ります。けど、基本的にはスタッフの方におまかせしてあるので思い切りやってほしい」
Animage: メーテル、車掌、影の声、それぞれの正体についておうかがいしたいんですが!?!?!
Matsumoto:「それはムリですよ。 ストーリーをぜんぶ話してしまうことになる(笑)。ただ、これだけはいっておきたいんですが、この話の結末は、最初からすごくしっかりした設定ができています。ちゃんとした文章にもなっていますしね。その大きなストーリーにそって、小さなエピソードが重なっていっているんです。」
Animage: 最後に、先生の”999"に対する気持ちをひとこと。
Matsumoto:「テレビシリーズとはベつに、いつか、1本の999をアニメ化したいと思うほど、この作品にほれ込んでいます。それが完成したら、ぼくはいつ死んでもいいくらいです」ます。ちゃんとした文章にもなっていますしね。その大きなストーリーにそって、小さなエピソードが重なっていっているんです。 そこで、みんなの正体もわかるしかけになっています」
Nozomi Aoki (Music): 「弦楽器で効果をねらってみたんだけど」
Animage: 作曲されるときのイメージづくりは!?
Aoki:「単行本を読んだり、設定資料を見ながらふんい気を作っていきます」
Animage: 今回は、どういうところを強調されたんですか?
Aoki:「ロマンチックな面ですね。ただ、ロマンチックだからといっても、リズム的には現代ふうにアレンジしてみました。けど、アクションを表現するんじゃないから、弦楽器を多用してやわらかさをだすようにはしてみましたね」
Animage: いままでの子ども向けアニメとはちがったものを最初から意図なさったんですか?
Aoki:「そういうわけではありませんが、松本先生の絵柄をなんとか生かそうとして作曲していくと、結果としては、いままでのアニメのBGMとはおのずとちがってくるみたいですね」
Animage: 最後にひとこと.
Aoki:「音楽だけでも楽しめる作品です。ぜひ、聞いて下さい!!」
企画会議で決定していた「トレーダー分岐点」をシナリオ化してもらうために、横山プロデューサーは脚本家の吉田喜昭氏と東京・新宿の喫茶店で打ちあわせ、準備稿の発注。
1 August
吉田氏の準備稿完成。この段階では、横山氏のみがシナリオに目を通し、話にムリはないか、設定とちがっているところはないか、などを検討し、あらためてシナリオの2稿を発注。
3 August
第2稿完成。 この段階で、横山氏にチーフ・ディレクターの西沢信孝氏も加わり、まわし読み。2人の意見をまとめたところで、決定稿を吉田氏に依頼する。
6 August
シナリオの決定稿完成。即座に演出の湯山氏が絵コンテにとりかかる。絵コンテとは、シナリオを映像にするのに必要なもので、通常、演出家が自分のイメージを説明するために自分で描くことが多い。絵コンテの段階で、シナリオの中で絵的に不要な部分ははぶかれてゆく。
18 August
絵コンテ完成。絵コンテのチェックは、チーフ・ディレクターの西沢氏が一人で行なう。そこで、話にムリのあるところを検討し、決定稿を依頼する。絵コンテ第1稿完成と同時に、その回から新しく登場するキャラ、舞台のデザインがはじまる。 999の場合、湖川滋氏がキャラ設定、美術設定は浦田又治氏である。それぞれ日数は、4~5日かかる。
20 August
絵コンテの決定稿完成。
25 August
絵コンテ、キャラ設定、美術設定と、アニメ製作上の基礎材料が集まった時点で、作画の打ちあわせ会議が開かれる。各担当者があつまり、1本のドラマとして完成させるため、コンテの芝居をどうするか、キャラ、背景の動きはどうするのかといった打ちあわせをする。出席者は、作画監督の湖川氏、美術の浦田氏、演出の湯山氏の3人。
26 August~30 September
原画と背景原図の発注。 いよいよ実際のセル作業に入る。原画とは、絵コンテをもとに、カットごとの主要な人物の動きを何枚かの絵にするものである。ラフな絵なので、これを動画家が清書する。できあがった原画は、基本デザインとの狂いはないか、湖川氏と湯山氏によってチェックされる。 ここで演出の湯山氏がチェックするのは、演出的にみて、動きの中に入れたとき、おかしくないかを検討する必要があるからだ。原画チェックのあとは、原画と原画との間の動画作業に入る。動画チェックも湖川氏と湯山氏が行なう。動画チェックとは、20枚くらいの1カットの動画をならべてパラパラまんがのようにめくり、動きがいいかどうかをチェックすることだ。原画チェックと動画チェックのおわったものから、トレス・彩色にだされる。トレスとは、動画を1枚1枚セルに重ねて、セルに描きうつす作業だ。これは機械で行なう。で、トレスが終了したセルの裏側から、色指定に従い、絵の具で色を塗っていく。 これを彩色という。また、この段階では、特殊効果の作業も同時進行する。雨や風などの画面効果をブラシやスポンジで拭いていくのだ。「999」の場合、汽車のケムリなどのときに多用している。で、この間に完成した背景の上にセルをならべて、撮影前の最終チェックをする。この一連の作業が一番大変で、日数的にみて、およそ、40~45日くらいかかる。
10 October
撮影の打ちあわせが、湯山氏とカメラとのあいだで行なわれる。
11 October
搬入。撮影伝票にしたがい、背景とセルをくみあわせ、コマ撮り開始。およそ1週間かかる。
17 October
ラッシュ撮影が行なわれ、湯山氏と撮影、記録の人がおかしなカットはないかをチェックする。
19 October
編集。バラバラに撮影されていたフィルムをシーン・ナンバー(ストーリ順)どおりにならべかえていく作業。この段階で、演出上、不要と思われる部分は、とりのぞかれてゆく。参加するのは、湯山氏と編集、記録の 22 October
オールラッシュ。基本的には全スタッフが見る。
23 October
アフレコ。アフレコ台本(絵コンテをもとにシーンごとにセリフを入れた台本)にしたがって声優さんが、音のないフィルムを見ながら声を入れる。
24~27 October
ダビング。効果・音楽・台詞をミックスさせる作業。
28 October~1 November
東映化学にて現像。
2 November
初号試写。完成したフィルムを全スタッフがチェックするため試写をする。 9 November
テレビ放映。
トレーダー分岐点 (Trader Junction - Part Two) (11/16) 夜空を「野の花行き」列車がゆく。999号にのっているとばかり思って眠っていた鉄郎は、目をさましてびっくりする。隣りにはメーテルもいない。やむなく、鉄郎は野の花駅に降りたつが
不定形惑星ヌルーバ (Formless Planet Nuruba) (11/23) 形がしょっちゅう変わる星、不定形惑星ヌルーバに降りたったメーテルと鉄郎。そこには、アミーバ人間ツルーとスルーが住んでいた。彼らは人間〟になろうとして、突然、 メーテルと鉄郎に襲いかかってきた。彼らの目的は、人間の姿をかりて、どこか遠いほかの星へ行こうとしていたのだ。
化石の戦士 前編 (The Fossilized Warrior - Part One)( 11/30) 999号は、銀河系から3万光年はなれたある星で列車妨害にあった。その星は、木1本草1本生えていなかったが、人間の顔をした岩ばかりあったので「化石の星」とよばれていた。列車妨害をしたのは、いったい、誰か?!?!? 鉄郎は銃を手に星に降りだった。と、そのとき、鉄郎を背後から大きな影が包んだ。 「若ぞう、きさまも化石泥棒か!?!?!」
化石の戦士 後編 (The Fossilized Warrior - Part Two) (12/7) この星の住人はかつて、化石化が雲のため化石となり、ただ1人生き残った若者が化石泥棒の手から化石を守っていた。そして、鉄郎はこの若者にパスを奪われてしまう。しかも、あらたな化石化ガス雲が、 この星へせまりつつあった。鉄郎は、メーテルにイヤリングをかしてもらい、いそいで、パスをとりかえしに出かけるが......。